【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 住みつけ!ラッコの「くーちゃん」

霧の幣舞橋(ぬさまいばし)は、チョッとしたイベント会場のようである。パトカーが出動して交通整理にあたってる。
集まってる人々は老若男女、実にさまざま。カメラを構えてる人も多い。その視線の先は、幣舞橋のたもとの岸壁近く、わずか20平方mほどの川面。誰の目にも期待の光が宿ってる。
「何しろ“なまら”初めてだからなぁ、ラッコが見られるなんて、もしかしたら観光客大勢来るかもしれん」。
そう、何と釧路市中心部に野生のラッコが忽然と姿を現したのだ。「冥土の土産話にしたっていい、この目に納めておかずにおくもんか!」。
この野生のラッコが初めて目撃されたのは2月11日朝。早速、釧路川の「くーちゃん」と名づけられた。
この目撃情報は一日にして、釧路・道東をオレンジ色に染めたらしい。なにしろこんな暗いご時世だ、何か明るいニュースが欲しい。というわけで、連日何千人の人たちが、一目見ようと幣舞橋に押し寄せてるのだ。
野生のラッコはまれに根室沖などで目撃されるらしいが、釧路では初めてだという。
突然、見物人がざわめいた。体長1mほどの黒い生き物が動いてる。見物者からの距離は、何とわずか2mほど。
ざわめきに怯えることもなく、悠然と仰向けになったり、クルリと反転したりしてる。早速カメラを構えたが、無念なるかな、性能悪し!モタモタしてるうちにクルンと、潜って視界から消えた。
−3℃の中、30分待つがそれ以後は姿を見せてくれなかった。

「一体、いつまでいてくれるのだろうか」いま持ちきりなのは一躍人気者になった「くーちゃん」の将来だ。
専門家は「餌が少なくなったり、気が変わったりすれば、移動しそう」と解説する。そりゃ当たり前すぎるほど、当たり前だが、昨夜辞任した中川財務相(北海道十勝管内選出議員)の説明よりはマシかぁ。
「くーちゃん!頼むから住みついちゃってくれよ。ただでさえ落ち込む道東経済、その上、、中川財務相の“ヨレヨレ記者会見”辞任で、ボロボロに傷つく北海道民のココロを癒してオクレ!」