【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

続・脱皮!

彼のセミの脱皮・羽化には続きがある。
初飛翔が気になって、何度も見に行った。初飛翔の瞬間を見てみたい、とスケベ心もあった。
小雨の中、彼(もしくは彼女)は飛び立つ気配も見せなかった。相変わらずジッとしたままだ。
1日経った。朝から快晴。3日ぶりの太陽が強烈な光を投げかけ始めた。8:30、観察欲に突き動かされ、露を払いながら見に行った。でも、「さすがにもういないだろう」

一瞬、眼を疑った。彼(もしくは彼女)はそこにまだいた!しかも、である。もう一匹のセミが近づいてる!「もしかしたらッ!」そう、その「もしかしたらッ!」だった。
二匹の間の距離が段々縮まっていく。ソロリ、ソロリ・・・。彼らのこれまでの生きざま同様、急がず、慌てず、焦らず、だが、確実に、何かに導かれるように、距離は縮まっていく。ヒトの出会いや、見合いなども外から見てるとこんな感じなんだろうか。

その後のことは・・・・生命の根源に立ち入るようで、撮れなかった。観察者失格!である。
10:00。怖いもの見たさに現場に戻る。
二匹ともいなかった。紅葉の小枝がそよそよと風に揺れてる。見上げると夏の青空がドカンと広がっていた。彼らは子孫を確保しただろうか?いよいよ夏だ!

(※17日、北海道大雪山系トムラウシ山で史上最悪の夏山遭難が発生した。アイヌの人々は、大雪山系の山を“カムイミンダラ”「神々の遊ぶ庭」と呼んだ。「神々の遊ぶ庭」は時として、「人間の遊ぶ庭」になることを拒否することがある。生と、死と。10人の犠牲者に合掌!)