【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 “晴れの摩周湖”!


質問です。この写真、空を見上げて撮影したか?それとも見下ろして撮ったか?どちらだと思いますか?
なかなか分りにくいかもしれませんが、正真正銘、撮影したままの写真です。特殊な操作はしてません。ヒントにもう一枚!コチラでしたらどうでしょう?

実は、この写真、カメラのレンズは下方に向けてます。映ってる雲は、空に浮かんでる雲じゃない。小波ひとつない湖面に映りこんだ雲、鏡の雲です。
この日“霧の摩周湖”は、「天高し」という言葉がぴったりするほどスカッと晴れ上がってました。ボランティアガイドによると、「結構こういう日も多いんですよ、摩周湖は」。
そのとおり。不肖ワタクシが立ち寄った6回のうち、霧でまったく見えなかったのは2回しかなかった。大体、布施明の“霧の摩周湖”が売れすぎたんだ!イメージが霧で固まっちまい、後には晴れの摩周湖が見れれば健康になる、などという神話も生まれちまった。
でも、この日は特別でした。風がまったくなく、小波ひとつない鏡面のような湖面。そこに秋の雲と断崖が映り込む。まさに“逆さ富士”ならぬ“逆さカムイヌプリ(神の山)。こんな光景は初体験でした。
それにしても摩周湖はフシギな湖です。
コバルトブルーの湖面、切り立った崖。しょっちゅう生まれる深い霧・・・。7000年前の噴火で生まれたカルデラ湖ですが、流入水(川)、流出水(川)が一切ない。周囲はカムイヌプリ(神の山)の絶壁に囲まれ、中ほどには溶岩ドームとしてせりあがったカムイシュ(神の島)がポツンと浮かぶ。
透明度はかつて40,5mと世界一を誇ってた。最近少しずつ落ちつつあるが、それでも日本では勿論1位、世界でもバイカル湖に次いで2位となっている。
何だかこの世のものとも思えぬ静寂、人跡未踏の懸崖(研究者さえ立ち入りを厳しく制限されてる)、動物の気配も感じぬ屹立感・・・。この光景を神秘的と思わぬ人はいないでしょう。
先住民族アイヌは、ここに畏怖と畏敬、そして神(カムイ)の意思を見たに違いない。不肖ワタクシだって、目には見えぬ何者かの絶妙な配材や、気配を感じたのです。
そう、物理学者村上和雄氏言うところの「サムシング・グレート」とは、こういうものなのかも知れない!
ファインダーを覗いてて思いました。
う〜む、“霧の摩周湖”にも、“晴れの摩周湖”にも神の存在がある。いや、アイヌナバホ族アメリカインディアン)が信じるとおり、全ての自然に神々が宿ってる!そう、やはり神はいる!
あなたは、これまでそんな感覚を体験したことがありませんか?