【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 北方民族DNA!

雌阿寒岳(めあかんだけ)が冠雪した。青空にクッキリ浮かんでる。
麓の阿寒町でも、一昨日の朝は、今季の初霜が降りた。いよいよ冬将軍がやってくる。
夏の阿寒は快適至極、生命の横溢を満喫するが、冬はアイスランドに変身する。

「虫歯の痛みがねぇ、あの虫歯の痛みに耐えるのが快感なのよう!」とマゾヒスティックに漏らした友人がいた。阿寒の冬はそれに近いのかもしれない。
ミノムシのようにひたすら着込む。ヒグマのように、用のない時はジッと家に引きこもる。3回越した冬はそうして過ごしてきた。
夏場に機上から見た優雅で朧な雌阿寒岳もまったく違う。冬将軍が牙を剥く。

ただ、それが快感になる時がある。シーンという音のする雪の夜半、青く光る氷やキンキンとした金属音、フードを掻い潜って入ってくる雪の、肌を刺す痛み・・・それらが、ふとマゾヒスティックな快感を伴うことも多いのだ。
これまでは、わが身は南方民族DNAで構成されてると思ってたのだが、ヒョッとしたら北方民族DNAも混じってるのかもしれない。
冬篭りの準備をしてたら、夏場の釧路湿原塘路湖の航空写真が出てきた。真ん中に湿原形成の歴史が一筋、クッキリと刻まれてる。
東京23区がスッポリ入るこの広大な湿原も、6000年前は温暖化の影響で海水に覆われいたという。それが4000年ほど前の気温低下で地上に姿を現し、湿原になった。あの中には特別天然記念物のタンチョウはじめ、幻の魚「イトウ」、エゾシカ・・・どれほど多様な命を養ってるのだろう。
ここも冬には雪原、氷原と化す。すべての生き物は息を止め、マゾヒスティックな快感に浸ることもなく、ただ当たり前の如く春を待つ。
今年の冬は、この3回の冬と少し過ごし方変えてみよう。
アイスランドを当たり前のこととしよう。アイヌ民族のことも少し勉強しよう。アイスランドアイヌランドに変えるのだ!そんな気持ちになってきた。
これも寒さに対する免疫ができてきたせいかもしれない。
初冬の陽だまりの中、冬篭りの決意だけはできたようだ。