【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

花がオンナか、オトコが蝶か?

窓を開けると強烈なユリの香りが部屋に充満する。何と蠱惑的な香りだろう。
人間にとっても蠱惑的なんだから、虫達にとっては身もだえするように食欲をそそられる香りに違いない。
何しろ「蠱惑」の「蠱」の字は「虫」が三つも重なり、その下に皿が付くのだ。虫達が身もだえしてる姿が目に見える。オンナたちがスィーツの甘い香りを嗅ぐと食欲をコントロールできなくなるのと同じである。

「お〜、来てる、来てる」。早朝なのに、日本産では最美と言われるミヤマカラスアゲハがすでに10数頭(動物学的には1匹、2匹ではなく頭というらしい)も群がり、狂ったように花蜜を吸ってる。この時期、子孫を残すために栄養分が欠かせないのだろうか。
来てるのはミヤマカラスアゲハだけじゃない。どこからともなく来たキアゲハも混じってる。
さてさて、多少の争いごとが起こるのか?興味深く見てたが、食料(花蜜)がふんだんなせいだろうか、特にそれといったシーンも見かけない。
彼らは入れ替わり立ち代りやって来ては、暫く花蜜を吸うとヒラヒラと青空に帰って行く。どれもが同じに見えるから、何度も来る奴がいるには違いないけど、30分で延べ32頭を数えた。

蝶は人間のオンナに例えられる。だが実際は、花がオンナじゃないだろうか?
甘い香りと蜜を餌に、自分は種の存続を考えて受粉をめざす。花のほうが遥かに戦略的である。どこやら人間のオンナとオトコに似てないか・・。
♪花が女か 男が蝶か〜♪で始まる森進一のヒット曲、「花と蝶」は作詞家川内康範が、48歳頃に作詞したという。きっとオンナとオトコの機微を知り尽くしてたんだろう。
自分は65歳になっても、オンナとオトコの機微が殆ど分らない。ウ〜ム、随分差があるなぁ。