【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 パンケトー・ペンケトー・・・神の湖!

時々「神になりたい!」と思うことがある。
自然の神秘と猥雑な生活の狭間にいる時にそう思うことが多い。今回は川湯温泉からの帰路、摩周湖と阿寒湖をつなぐ47kmほどの横断道路の中で、そうなった。
双子の湖、ペンケトー(上の湖)とパンケトー(下の湖)のえもいわれぬ神秘的な色が刺激になったらしい。
実は、19日川湯温泉で開催された(社)日本観光協会主催の「地域密着型観光人材養成研修セミナー」に参加した。
講師陣は、かつて京大アメフト部を日本一に導いて話題になった、NPO法人グローバルキャンパス理事長の大社充氏及(株)JTB常務取締役清水慎一氏、さらには観光庁、民間企業経営者など多士済々。
7時間半にわたる濃密なセミナーだった。
最大のテーマとなったのが「観光まちづくりプラットフォーム」という新しい考え方。かいつまんで言ってしまうと、疲弊する日本及び地域の打開策のひとつとして、観光立国を踏まえた新しい地域活性化の道を探るものだ。

決定的に新しいことがふたつあった。まずは、「観光とは一過性のものではなく交流である」という考え方。そこから観光をまちづくりの一環とする具体的な結論が導き出される。
もうひとつは、観光によるまちづくりをすべて行政に任せるのじゃなく、行政と一体になって地域主導型の観光を実現するというものだ。
そこからは民間ベースの新しい雇用が創出できる。つまりは、官民一体となった町おこしに観光を利用するという壮大な構想だ。
自分の言いたかったこと、やりたかったことを代弁してもらったように感じて感動した。高揚した。

だが、壮大な観光まちづくりプラットフォームを成功に導くためには、行政や企業、さらには住民の価値観の変革が必要だ。世直しと言っていいのかもしれない。
成功すれば、かなり明るい社会の到来を予感させるが、果たして人間は、社会は、そこまで自己変革できるか?もし、自己変革できない社会にはどういう未来が待ってるんだろう?
それこそ、神が知るのみ!だ。もしかしたら、それを知りたいがために「神になりたい!」と、脳が暴走するのかもしれない。そして双子の湖に確かに気配を感じる神が、その暴走を後押ししてるのかもしれない。