【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

松本さん!残念です!

『世直しかわら版』という、日本社会のあり様に鋭いメスを入れる隔月刊意見誌がある。編集・発行は、元三井物産広報室長の水野要氏が主宰する「サロン・ド・ヴァンテアン(21)」。
最近は都内46書店で売られ、阿寒でも有志が「面白い、勉強になる!」と読み始めた。
11月中旬、サロンの事務局長兼かわら版編集人の松本嘉臣氏から、通巻59号、2011年新春号の寄稿依頼があった。
「特集企画(1)今日本が抱える諸問題についてのご意見やご提言」のテーマを選び、『日本領土危機』というタイトルにした。

『北海道納沙布岬野付半島を旅したことがある人なら知っている。何しろ国後島が、20km足らずの先の海に浮いている。手を伸ばせば届かんばかりだ。だがそこは外国、しかも大戦のドサクサに紛れて毟り取られた外国である。』
「つい先日の、メドベージェフの国後訪問によって4島返還はおろか2島返還もないだろう。政府、外務省及び日本人は、世界で一番領土問題を抱えているのになぜ楽観的なんだろう」との主旨を書いて松本さんに送った。その際、11月下旬から10日間ほど上京するので、時間があれば、久しぶりにサロンを訪問したいと書いた。
早速、「嬉しいです。水野理事長も喜ばれることでしょう」との返信があった。その松本さんが、12月9日亡くなった。12月3日に遭った交通事故後、昏睡状態のまま6日後に永眠された。訃報はそう伝えていた。

愕然として言葉も出なかった!実は上京の折、スケジュールの都合で「ヴァンテアン」を訪問できなかったのだ。お断りの電話を入れたのが12月1日。「いやぁ、残念ですねぇ。次回はぜひ!」受話器の向こうの声がいまも耳を離れない。
松本さんはクリスチャンだ。温厚な人だ。真面目な人だ。その人がなぜ・・。
水野さんも心に大きな穴がポッカリ開いてしまっているに違いない!コチラのほうも心配だ。
改めて「無常」を感じる。もうすぐ東京町田では、葬儀が始まる。弔電には「松本さん 本当に残念です。安らかにお休みください」と書いた。思い出せば涙が出そうだ。もうこの辺で止めよう・・・。合掌。

※上の写真は納沙布岬からの国後島、下は野付半島からの国後島