【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 熱中症、ご用心!

恥ずかしながらその言葉を初めて聞いた時、“熱中人”―――つまり趣味や想いが嵩じて病的症状を呈する人たちの事と思った。超マニアという意味のマスコミ的造語と判断したのである。
本来の意味が分かった時、エンターテインメント毒に侵されてる自らを思い知らされた。
ただ、一言申し開きをさせてもらえれば、かつては似た症状を日射病とか、熱射病と言った。しかも記憶の限りで言えば、保健体育の授業で対処法を習っただけで、実際に遭遇する場面は殆どなかった。

実は去年の今頃、熱中症の一歩手前まで行った。丁度、写真のカサブランカが咲き乱れてたことを覚えてる。
そこで学んだのは「熱中症は一気に来る」ということだ。急に吐き気がして、手足の力が抜ける!目が霞んできて呼吸が苦しくなる。そしとフ〜ッと意識が薄れてく。
幸い「これは熱中症かも」と気づいた。草刈道具をおっぽり出し、家の中へ。風を入れ、タオルで冷やし、氷を口に含んだ。フシギに頭の中で「カサブランカ」の大輪が渦をまいてた。そうして2時間・・・ようやく身体に力が戻ってきた。
生々しい記憶に浸ってる中で、妙な疑問がふっと浮かんだ。
何故「カサブランカ」と呼ぶんだろう?
「Casa」はスペイン語で「家」の意。「Blanca」は白い、である。したがって「カサブランカ」は「白い家」ということになる。確かにこの大輪を見ると、家みたいな大きさを感じもする。
調べてみたら、結構単純だった。王家のユリとも言われる「カサブランカ」は、日本のヤマユリとのハイブリッドである。オランダで1970年代に作成されて爆発的にヒットした。
実はオランダでは、花のネーミングに都市の名前をつけることが慣例になってるらしい。作成者達はこの大柄のユリを白い家と白い塀が立ち並ぶ、モロッコ王国の首都「カサブランカ」に見立てた。これが由来である。映画から付けた訳じゃなかったのである。
カサブランカ」は、日本のユリと比べて厚ぼったい。暑苦しいと言ってもいい。なぜ、この暑苦しい花が世界中で大ヒットしたんだろう?もしかしたら温暖化に関係あるのかも知れぬ。
本州の猛暑は凄まじいらしい。皆さん、くれぐれも熱中症にご用心!いきなり症状が出ることをお忘れなく!
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