【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

国境周辺異常あり!

尾岱沼(オダイトーと読む)にいる。それって何処?と言う人も多いことだろう。
尾岱沼は、根室知床半島の付け根にある羅臼(ラウス)のちょうど中間ぐらい。自衛隊の演習地がある別海町の海岸線にある。
「トーとは、アイヌ語で沼や湖のこと」なのだが、尾岱沼の海は北太平洋に面してながら、まさに沼のような様相を呈してる。地名としては正確である。何故か?理由は、野付半島の内湾にあるためだ。

(手前の陸地は尾岱沼、内海をはさんで向こう側が野付半島
野付半島は、オホーツク海流の副産物として出来た。北海道から突き出した「犀の角みたいな知床半島」を回り込んだオホーツク海流は、運んできた大量の砂をここに置いていく。その砂が鳥の嘴のような形をした砂嘴を形成し、半島となった。
国後島はここからからわずか20km、手の届きそうなところにある。国境最前線の町と言っていい。

(右側の白い建物が野付半島、後に霞んでるのは海を挟んだ国後島だ)
この国境周辺が最近、にわかにキナ臭くなった。ロシアは北方4島の開発計画を推し進め閣僚が相次ぎ訪問、さらに工事の労働者として中国人、韓国人などを次々と雇用してる。まさに、実効支配を強めようとしてるとしか思えない。
一方、最近オホーツク海での大規模な軍事演習計画を発表。さらに日本領空近辺を15時間に渡って一周する偵察飛行も行った。地元では緊張感が高まるばかりだが、日本国民の関心はドンドン薄れてるのが実情だ。

留鳥となった雁が悠々としてた。人は何故仲良くなれないのだろう)
確かに、大震災、円高、雇用、放射能処理など、国難ニッポンにあっては、関心が薄くなるのは当然かもしれない。
だが、考えても見てほしい。東京の新宿→三鷹あたりにロシアとの国境線があるのだ。三鷹で大きな爆発音が続いてることを新宿の住民は安穏としていられるだろうか?
ロシアは、江戸時代から日本がもっとも警戒してきた国である。日露戦争も起こった。いまの国難に加えてもう一つの国難を浴びることのなきよう切望する次第だ。
ぜひ尾岱沼を訪れて、国境問題の緊迫感を肌で実感していただければ、と思うのだが・・・。
★書き込みをドラッグすると白抜き文字がスミに変わり読みやすくなります。