【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

雪像アート!

旭川俳人深谷雄大氏(77)は、北海道現代俳句賞、北海道現代俳句協会大賞など、数々の賞を受賞した「北の俳人」の第一人者である。
▼その深谷氏に去年11月、朗報が届いた。句集「六合(りくごう)」が、北海道新聞北海道新聞俳句賞に選出されたのである。これまでに何度も候補に挙がっていたので遅きに失した感はあるが、本人はさぞかし受賞を喜んだことだろう。
深谷氏の句には「雪」を季語とする句が圧倒的に多い。
・山消えて街消えてみな雪となる
・父の世の母の世の雪見ていたる
・見えぬ眼に雪野の涯の海を恋ふ

▼一年の半分は雪と氷との闘い。−41.0℃という日本の最低気温を記録した寒さとの闘い。そうした厳しい風土が、作者の眼を雪に向かわせるのかもしれない。ただ、その眼は雪を拒絶するのではなく、郷土愛に満ちていることも感じさせてくれる。
▼1月28日〜29日、阿寒町では「第一回タンチョウの里 千年祭」が開催された。各地のB級グルメのテントもさることながら、来場者達の目を惹いたのはやはり雪像だった。アンパンマンなど、全部で5体しか彫られなかったが、そこには厄介者の雪と何とか楽しく付き合う道を探る暖かい眼が感じられた。
▼写真のエゾミミズクの雪像は、・父の世の母の世の雪見ていたる のかもしれない。