【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

  ロゴタイプの予言!

▼「それにしてもメチャクチャなロゴだなぁ…」そのグラフィックデザイナーは、そのロゴをそう批判した。そのロゴとは、民主党が採用した新しいロゴタイプ、もう15年ぐらい前のことになる。

(何と見事な「セルフデザイン力」だろう。そこには虫や人の心を惹きつける生き残り戦略があるようだ)
▼「だってほら、見るからにバランスが悪いだろ。2つの円は政党のロゴなのに何で上下関係を意味する縦位置なんだろう?下の円の縁がギザギザなのは何を意味してるんだろ?よく分らん!民主党はきっとこのロゴどおり、バランス悪い政党になりまっせ!」
▼今になって思えば、予言どうりだったと思わざるを得ない。民主党のロゴの下には、「右」「左」「強欲」「権力欲」など、全く違った輩がはせ参じ、政権交代以外に理念のない寄り合い所帯を形成した。内輪もめは日常だった。

フラクタル理論が当てはまるようなマリーゴールドの相似形群落。何かしら法則があるに違いない)
▼そうして14年……ついに70名を超える離党者を出して分裂しちまった。まるでロゴタイプの下方の円に表現されたギザギザ状態そのものだ。民主党ロゴタイプは、ハナから民主党の将来を暗示してたと言っていいのかもしれない。

(どこかから飛んできて花を咲かせた。名も分らない小さな花だが、きちっと秩序立っている)
▼「ロゴタイプ」はギリシャ語の「ロゴデュポス」に語源がある。まぁ、一般的には団体名や企業、商号、商品などを図案化し表示するのに用いられるのだが、重要なのは、そのマークには視覚的に思想や、哲学が込められている。つまり、思想や哲学の目に見えるシンボルなんである。
▼だから、西欧ではロゴタイプをものすごく重要視する。企業の経営者は「デザイン経営」と称してロゴや商品のデザインを経営の根幹に置く。アップルのスティーブ・ジョブズの例を見れば納得していただけよう…

ハナトラノオの花。天を鋭く衝き刺す清新なこの花が「日本維新の会」のロゴのモチーフにならないか)
▼残念ながら日本の政治家や、経営者にその「デザイン・アイ」を有している人は極めて少ない。経営者はまぁ、放っておくとして、政治家のセンセ方、「ジバン」「カンバン」「カバン」の確保に時間を割く前に、すこしデザインの勉強でもする必要があるんでは?少しは政治哲学や政治思想のこと、さらにはコミュニケーションということに頭がいくでしょうや。
▼もっとも、民主党は解体して新しい政党名とロゴをつくったほうが、今のものを手直しするより手っ取り早いのかもしれない…。