【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 湿度100%!

▼9月22日は秋分の日だった。土曜日と言うこともあって振り替え休日の3連休とはならず「チェッ!」と思った人も多かろう。だがチョッと待て!例年23日の秋分の日が、一日早まるのは何と116年ぶり。「常ならぬ」年だったのだ。
(牧草についた水滴。気温の低下で空気から押し出された水分が付着した)
▼「常ならぬ」と言えば、残暑も異常だった。気象庁は、統計開始以来最高の残暑だとして、道内残暑を「異常気象」と結論付けた。しかも、この異常気象は冷涼な北海道のイメージとは程遠いムシムシとした湿気を伴ったのである。

(「単なる露じゃないか」と言う人もいるけど、それは違う!湿度100%から押し出された水分だ!)
▼釧路では、湿度99%という日が長く続いた。湿度99%とは、空気の中の水分がほぼ飽和状態だ。空気から染み出した水分で家の床はベタベタ。大げさに言えば、「手を振っただけで、そこに水滴が着く」という感じがするのだ。
▼家の中だけじゃない。道路にも、車にも、牧草にも…あらゆるモノに、空気から染み出した水分が付着し、雨とは違った水滴を置いていく。初めての経験だった。

(毎朝フシギに水たまりになる場所が同じだ。絞り出されやすい場所があるのだろうか?)
▼ついに湿度100%の予報があった早朝、「今朝はやっぱり、ミズシモ、降ったべな」。散歩をしてた長老が、そう声をかけてきた。ミズシモ?水の霜のことか?そうだ、そうに違いない!白露のことを「水霜」と言うんだ、コチラでは!
▼「水霜かぁ…」それにしても、何ときれいな響きを持った言葉なんだろう。近い将来、「霜」の到来を予感させながら、そこには「水」の持つたおやかさが感じられる。

(霧雨や露とは違うことがお分かりいただけるだろうか?しっとりと優しい「水霜」である。
▼こういう地域独特の言い回しや表現を聞くとウレシクなる。それはそこに、地域文化と人生と自然がビミョーに絡んでるのを感じるせいかもしれない。東京じゃ、これは感じないんだろうなぁ…。