【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

どこに行くのか、フラミンゴ!

▼「いたか」「いや、見えない」。アマチュアカメラマンやボランティアガイドの捜索を、道新が報じている。捜索相手は、3か月前に旭川市旭山動物園」から逃げ出した一羽のヨーロッパフラミンゴだ。
▼北海道の空を500km近くも自由奔放に飛び回り、10日後からは、オホーツク側の紋別「コムケ湖」を棲みかとして定住してた。捕獲作戦などをあざ笑うがごとく潜り抜け、悠々自適の生活ぶりを時々、ニュースでも放映された。

(庭に飛来したタンチョウ親子、タンチョウな夏。フラミンゴもこんな自由を味わってたんだろうか?)
▼その人気モノが、今月29日から姿が見えないと言う。関係者は「アオサギなどと一緒に、南方へ旅立った」とか「まだ近くにいる可能性がある」などと喧しい。
▼鳥類研究の専門家に言わせると、「日本脱出はないんじゃないか」。落ち着き先は、好む餌がある海岸や干潟のようなところが予想されるという。
▼それにしても、「食」の保証された動物園から逃げ出して、大空を自由に飛翔する姿には、感動を覚える。と、同時に自由には生死のリスクも伴うことも慮られる。しかも、彼、もしくは彼女は、たった一人。ローンサム・フラミンゴである。思わず、自由をやめて帰っておいでと願いたくなる…。

(当年孵化した茶色い頭の幼鳥。ローンサム・フラミンゴにはその可能性が殆どない!)
▼60年前、タンチョウは38羽まで減った絶滅危惧種だったが人工給餌で保護され、今では1300羽を超えたという。だが、ローンサムでは保護しても繁殖の可能性はない…。