【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

脳を騙す!

▼脳は馬鹿である。入ってきた情報が自らの生命の利益だと思い込むと、その記憶を手放そうとしない。だから、その頑固な機能を逆手にとられると、簡単に騙されてしまう。いい例が、プラシーボ(偽薬)効果だ。

プラシーボ効果とは、たとえ偽薬であっても薬だと信じ込ませることによって、何らかの改善がみられる事を言う。例えば、医師が風邪薬と称して小麦粉を飲ませても、患者が風邪薬と信じ込めば風邪を治す効果があると言うワケだ。まさに「鰯の頭も信心から」なのである。

▼で、騙されやすい脳の、この特質を自らの脳に処方しようと思い付いた。というのも、今年北海道は観測史上初めて初雪がそのまま根雪に、また12月の積雪量が例年の3〜4倍など、雪が猛威を振るってる!早くも脳が雪にウンザリしてるのである。このウンザリを取り除いておかなきゃとても長い冬を乗り切れない。
▼さて。どんなネタがいいか。そりゃマチガイなく夏の風景だろう。そう言えば、夏の間ミヤマカラスアゲハがカサブランカに来てたなぁ。去年も来てた。そうだ、夏にタイムスリップしよう!
カサブランカの写真を見た瞬間、脳内に鮮明な夏がフラッシュバックした。「いいぞ!脳は騙されつつある!」室温は18℃なのに、手足が暖かくなってきた。尾てい骨のあたりからマグマのように生命の躍動がせりあがってくる。

▼気がつけば、室内に緑の風が吹いてる。カサブランカの香りとムンムンする草いきれ、生命の気配…。まるで一遍の映画を観てるようなこの不思議な状態は明らかに錯覚だということも脳は片隅で意識してる。
▼…そうかぁ、分ってても引っかかる「オレオレ詐欺」や、ムリだと分ってるマニフェストに希望を賭ける「政治的期待」は、これだな!「Oh,NO!」脳は本当に騙されやすい!