【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 マルチリンガル!

▼改めて日本語はスゴイ!と思う。例えば温泉。英語なら「spa」「hot spring」、せいぜい2つの単語、よしんば百歩譲って「bath」を入れたとしても、3つの単語しかない。
▼だが日本語は違う。まず漢字がある…「温泉」。「おんせん」、ひらがなだって黙っちゃいない。さらに、「オンセン」、カタカナ。……「湯」だって、「ゆ」だって、「かけ流し」だって、「秘湯」だって温泉のウチだ。

(ウチから車で5分。休憩室も広く清潔。乾式サウナもある。5時間は滞在、2〜3回は湯船につかる)
▼しかも、「spa」も「hot spring」もすでに日本語化。「ほっとSpring」「スパ温泉」など、和英ミックス用語だってある。温泉じゃないけど、かつての青森駅前には、「ステーション・ホテル屋」という旅館もあった。
▼近頃、バイリンガル(二国語が自由に使える人)がもてはやされるが、バカ言っちゃいけない!日本人は平安時代から漢字を理解し、ひらがなを編み出し、カタカナを駆使する「音・訓」両刀遣い!トライリンガルだったのだ。

(逆光で、暗くなってしまった。本来はもっと明るく、光が燦々と流れ込む)
▼現代はどうか?IT関連用語の米英語、ワインを通してのフランス語、イタメシを媒介したイタリア語だって平気で話す。場合によっちゃ和製英語(ジャパグリッシュ)だって造り出し、北海道じゃアイヌ語まで取り込んでる。
▼日本有数の温泉「登別温泉」は、アイヌ語の地名「ヌブル・ベツ」(ヌブル=色の濃い。ベツ=川。つまり白濁した川=温泉川)がそのまま「登別」という都市名になったという。北海道の地名は殆どがアイヌ語だと言っていい。天下の「札幌」だって、アイヌ語に漢字の当て字を被せたものだ。

(レンズが曇ってなかなか撮影できない。湯気が多いのは内外の寒暖差がスゴイから)
▼世界広しと言えども、これほど広範な言葉を、しかも殆どの国民が日常的に使いまわしてる国民はいまい!日本人は「バイリンガル」どころか、国民全員が「マルチリンガル」なんである。
▼「日本語は世界に誇る言語である。世界を呑み込む言葉である!そして、それを自由に使いこなす日本人は、世界に誇るべき優秀な国民である」
▼長時間、温泉に肩まで浸かってると、まったりした脳からそんな声が聞こえてくる。同時に「でも、過激なナショナリズムはアカン!安部ちゃん、外交は温泉のようにまったりとね!」なんて都合のいい言葉もゆるゆると脳内を泳いでる…。