【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

チューリップ・バブル崩壊!

爆弾低気圧の影響でモーレツな雨が降ってる。本州も大きな被害があったらしいが、道東一帯じゃ6〜7日の24時間で平年の4〜5月2か月分の雨量が降った。豪雨による雪解洪水や土砂崩れがシンパイだ。
▼それはともかく、チューリップが芽を出した。「今年もまた、艶やかな一群が庭を彩ってくれる」何だか感謝の気持が芽生えてくる。が、その美しさがかつて、世界最初のバブル経済事件を起こした歴史がある。

(今年はどんな花を咲かせてくれるか?ま、黄色と赤は間違いないところだ、何しろ球根はクローンだから)
イスラム教のモスクなどで珍重されてたチューリップが、オスマントルコから当時の経済大国「オランダ」へ伝搬したのは16世紀。短期間に増殖が難しいこの花は、当時から愛好家の間で高値取引されていた。
▼その人気に目をつけたのが投機家だった。彼らは栽培、交配、品種等には関心がない。金にさえなればよかった。その結果、球根の値段は暴騰、貴重種の球根一個で大邸宅が建つこともあったという。
▼儲ける奴がいれば、そこに人が群がるのは常だ。職人や農民までもが取引に参加するようになる。そして、人類初の現物がない取引、「先物取引」が始まった。「お金が先!球根は来年ね!」と言うワケである。こうして亡者が亡者を呼び、バブルは100℃以上に沸騰した。

(発芽したばかりの福寿草。この花も、江戸時代には投機まではいかないが盛んに取引されてたと言う)
▼1637年2月3日、球根の値段が突然暴落する。バブルが弾けたのだ。抜き差しならない状態になったオランダ政府は「チューリップ取引を保留する」という決議をする。これによって事態は一挙に収集向かった。
▼このバブル崩壊、経緯や背景は違うが、現象としては日本の土地バブル崩壊とそっくりである。人間はコイン経済を離れては生きられないというワケだ。そして、そこに投機家が暗躍する素地が発生する。
▼このバブル崩壊、実は面白いのはここからだ。チューリップ・バブルは、オランダ経済やその後の歴史にほとんど影響を残さなかったという。日本とは大違いだ!
▼その後オランダ人たちは、チューリップをローマ神話の女神フロラに喩え「貪欲なフロラに貢ぐ愚か者たち」として、チューリップを憎むようになる。そして生き方の教訓として語り継いだという。

(カラスが巣作りに忙しい。枝を折っては運んでる。他の鳥の営巣はウレシイが、この鳥だけはユーウツだ)
▼所変わって日本ではどうか?失われた20年の総括も出来ていないうちに日銀の大胆な金融政策が決定された。金融関係者はまたもや踊りまくってる。「アベクロ」ミクスは、後世、どう評価されるのか、う〜む、見届けるまでは死ねないなぁ…