【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 「カラス夫婦」!

※世間じゃ、仲の良い夫婦のことを「オシドリ夫婦」と言う。だが、騙されちゃいけない。野性の「オシドリ夫婦」は、一年契約だ。子孫を残せば契約は自動的に解除になる。じゃ、一年契約じゃない野鳥は何だ?
※「タンチョウも夫婦の絆、家族の絆を大切にするけど時々は浮気もします。野鳥の中でもっとも夫婦関係を大切にしてるのは、多分カラスじゃないでしょうか」と研究者は言う。「彼らは生涯、一夫一婦制を貫きます」

(シルバーバストは用心深い。カメラを知っていて、こちらに胸を向けない。ようやく一瞬を捉えた)
※なるほど、そうなんだ。けど「カラス夫婦」じゃ様にならない。第一、カラスは美しくないし、可愛くない!狡賢いし、ギャア、ギャア煩い。集団行動するし、人も他の動物も襲う!どんなに仲のいい夫婦だって、「カラス夫婦」と呼ばれりゃ“厭われ者夫婦”と思うだろう。
※その「カラス夫婦」が今年もまた来てる。何故同じ夫婦と分るのか、だって?写真をご覧いただきたい。3年間狙ってようやく微かながら収めた写真だ。何と、胸が薄いグレーなのである。突然変異かもしれない。
※ニシローランドゴリラの♂は成獣になると、背中が銀色の毛で覆われシルバーバックと呼ばれるようになる。そこで、こいつをシルバーバスト(灰色の女の胸)と名付けることにした。

(灰色の胸はペンキが着いたんじゃない、人工物でもない。正真正銘の灰色の羽毛だ)
※実は、シルバーバストはモチロン♀である。どうして分るのか、だって?毎年、子育てしてるからだ。亭主と思われるもう一羽から、様々な餌を口移しで受け取り、それを子に与える。さらに、鳴き声でいろいろな指示を出す。子どもたちの遊び相手になる優しいシルバーバックとは違って、まさに“女帝”なんである。
※だが、どれだけ愛情豊かな一家であっても、♪カラスはやまにい〜♪と、童謡で可愛げに歌われても、彼らをすんなり受け入れる訳にはいかない。彼らはオジロワシだって、人間だって平気で襲う最強の猛禽軍団…。ある意味じゃ、厄介モンのやくざ集団だからだ。なかなか好きにゃなれない。