【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 「雪の摩周湖」消滅!

※かつてキャノンの広告に、『17歳を記憶するか、記録するか。』という名コピーがあった。そのコピーを改めて実感することが今回の旅で起こった。『雪の摩周湖を記憶するか、記録するか…』

(♪明日があるさ♪、と言うことでおざなりに撮った写真が貴重品に…。他の殆どは五里霧中)
※1966年、布施明の♪霧の摩周湖♪で一躍全国区になった摩周湖は、透明度世界第1位の座を譲ったものの、いまでも神秘的な湖である。何回も行ってはいるが「雪の摩周湖」は初めてだった。
※今年初めての雪道、阿寒・弟子屈横断道路を這うように超えて摩周湖に着いたのは11:30。「雪の摩周湖」は、やはり「霧の摩周湖」だった。が、いつも通りだ、待てばいい。霧は必ず晴れるんだから。明日にするかぁ…。

※その夜、雪が7cmほど降った。が、翌朝は快晴だった。「ヨシッ、摩周湖アゲインだ!」。道路の雪は強い日差しのせいか、かなり解けてる。湖は白銀と快晴の中にあった!
※鏡のような湖面にぽっかり、カムイシュ(神の島)が頭を覗かせてる。その向こうには白銀の斜里岳(シャリダケ)が…。写真には写らないだろうが、そこには確かに神が存在してた。身震いしたのは寒さのせいだけじゃない!

※その光景をメモリーカードと脳に焼き付けて帰路に就いた。「この光景を俳句仲間に添付で送ってやろう!」
「雪の摩周湖」の熱い想いを書いた。「喜んでくれるだろうなぁ、みんな…。さて、添付しよっと!」

(日本で6番目に大きい屈斜路湖に羽を休めてたハクチョウ。まさに白鳥の湖である)
※「アッ、アッ、アァッ!」何と操作ミス!脳は左クリックを指示してるのに、指は削除の右クリックしてたのである。2日目の全写真データ完全消失!何てこった、どこを探しても見つからない!深い、喪失感…。
※それから5日、喪失感は少しずつ諦めに変わっていった。それと同時に鮮明だった記憶に霧が懸ってきたようだ。ここではっきり理解した。「記憶のために記録はある!」それにしても何回ミスすれば気が済むんだろう…。