【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

小さな旅!


※「ひゃぁ、可愛いっ!」東京から来た友人は歓声を挙げた。「オレ、小さい時鉄道が大好きだったんスよっ。こういう小さな駅、大好きです」。その駅とは、釧路湿原国立公園内にある釧網線「茅沼駅」。モチロン無人駅である。
※彼は、正面のドアを開けて10坪ほどの駅舎に入って行った。チョッと間をおいて声が聞こえる。「ラッキーッ!あと9分ほどで列車が来ますよっ。川湯温泉発釧路行だ、ウレシイッ!」モチロン列車を見逃す手はない!あと5分・・・待つ時間が妙に長く感じられる。

(実に軽い音を立てて近づいてきた。もしかしたら、周辺の木々に吸音効果があるのかも?)
※思ったのとは反対側から、カタン、コトンとレール音が近づいてきた。慌てて向き直ると、一両編成の気動車が草ボウボウのレール上をゆっくり近づいてくる。まるでオモチャみたい…。やがて気動車は、小さな軋み音を立てながら寂れたホームに停車した。

(日本で唯一、タンチョウが来る駅。有人駅時代駅員が餌付けしたのがきっかけという)
(冬にはSL冬の湿原号が運行される。今年の冬はどうか?)

※誰も降りない。誰も乗らない。乗客の大半は日常生活、無表情。運転士もごく当たり前の顔で時計を確認してる。1分後、気動車は何事もなかったように発車、カタン、コトンと静かに遠ざかる。「定刻通りですね!」友人がふと呟いた。

(車窓から駅舎を撮影する観光客らしき乗客もいた)
※曇りの予報とは裏腹に、暑い程の日差し。気怠い秋晴れの午後。友人にとっては脱日常の、しかも、都会の雑踏を離れた田舎の、時計の針がゆっくり回っているようなひと時だったに違いない。自分にとっても久しぶりに時間が止まった。

気動車は遠ざかりながら、昔懐かしSLみたいな汽笛を鳴らした。牧歌的だ!)

(細岡展望台より眺めた広大な釧路湿原。遠くには日本百名山雌阿寒岳雄阿寒岳を抱える阿寒国立公園が霞む)
※が、旅から戻ると「阿寒・森のつぶやき」老人にはまたまた時間が早送りされる日々が待ってた。何しろ、瞬きしてるうちに1週間が通り過ぎる。この時の経つ早さは何だろう。3日ですっかり散ったカサブランカ同様、今後はもっと早く経つんだろうか…。う〜む。

★今日は「防災の日」!関東大震災の日でもあり、また台風が一番多いという二百十日でもある。温暖化で30年、50年に1度という異常気象が日常化する中、自然災害だけじゃなく、人災における減災、防災のことを国民ひとり、ひとりが真剣に考えたい。話は別だが、今日は同居人の誕生日でもある。やれやれ…。