【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 そのキノコに“毒”はないか?


(深まる秋。一本桜ならぬ、一本モミジ。周囲に染まりはしない孤高の存在)
※門を通り抜けてからなかなか母屋に辿り着かない奥深い豪邸がある。キノコの世界はまさにそれである。自分もキノコ王国の扉を開けてからすでに20年。いや、小学生の頃を含めれば30年だ。が、いまだに入り口近くでウロウロしてる状態である。

(傘の大きさ、柄の長さ、繊維模様、柄の形状、株の状況…すべてハタケシメジに合致するのだが、色がどうも…)
※もっともキノコに人生を投入しちゃった「キノコ博士」と言われる人でも「母屋まで辿り着いてないんだよね、奥が深いよねぇ…」。達人でさえそうなんだからシロートが玄関口でウロウロしてるのは当然だろう。それにしてもキノコの何がフェロモンを出してるんだろう?
※「ペットと同じさ、愛おしくて狂おしいほどだ」。東京日比谷公園で、毎朝5時からキノコ探索してる丸の内サラリーマンはそう言った。「まるでディズニーアニメ『白雪姫』の、森の中をキノコ探して探索してるみたいだ。いつも新しい発見がある」

(裏の襞のありようなども、図鑑ではピッタリだしハタケシメジとしか考えられないのだが…。ま、毒じゃなさそう…)
※「キノコ博士」も言った。「キノコは菌です。動物です。植物じゃないっ!だって動くんだもの!ま、動物と植物の間の“第3の生きモノ”と言えますね。モドキは数知れず、いかにも毒々しげな色でサバイバルを図るモノもいれば、涼しい顔して猛毒を持つモノもいる」

(この2本は色が違っても、間違いなくハタケシメジだ)
※そういえば宮城と岩手の県境にある生駒山中を取材中、倒木に生える野生のシイタケを発見したことがあった。揚々と宿に戻り、夕食時に焼シイタケとして出して貰った。「美味いッ!」野生を頂く歓びに天にも昇る気分だった。2時間後・・・・・・「※ △ ★!☆ ▼・×…」
※嘔吐、下痢、発熱!地獄の苦しみが待ってたのである。猛毒を持つ月夜茸をシイタケと間違えたらしい。幸いにも量が少なかったことと医師の手当てが適切だったようで大事には至らなかった。同行のカメラマンは言った。「口にしないでヨカッタッ!」

(別の日に別の場所で採ってきたハタケシメジ。すでに味噌汁にして食。やはり上の写真は色が気になる)
臨時国会が幕開けとなった。所信表明したAB首相の口からは、地方に優しい政権を強調する口当たりのいい話が奔流のように流れた。が、騙されちゃいけない。涼しい顔して猛毒を持つキノコもいるのだ。ベニテングタケのように毒々しけりゃ、すぐに“アブナイッ”と分るのだが…。

★図鑑、ネット、何を調べてもチョッとだけ疑問が残るので、この株だけ食するのをやめた。でも、モッタイナイなぁ。そして、懲りてないなぁ・・・。