【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 エゾシカ食す!”ユックシチュー”

※[59万] [64億] [14万] ・・・北海道環境生活局が発表した2012年度の統計数字、何の数字だと思いますか?数字の替りに言葉を入れてみると・・・[エゾシカ生息数] [農林業被害額] [捕獲頭数]となります。そうですエゾシカに関する数字です。
※北海道ではエゾオオカミの絶滅以後、天敵不在のエゾシカが激増。人間との共生に様々な軋轢が生じてきました。解決策は何か?エゾオオカミを絶滅に追い込んだ人間が、生息頭数を管理すること。結論から言えば食用として共生を図らなければならない、と言うことです。

(コピーライターの友人に“ユックシチュー”のネーミングの是非を問うと、韓国料理の“ユッケ”があるからなぁ、と不評だった)
※5年ほど前まで、地元の人間は「肉と言えば豚か牛か羊だよねっ!エゾシカなんて…」だった。何とモッタイナイ!フランスあたりじゃ高級食材のシカをまるで厄介者扱いするなんて…。確かになぁ、衝突事故や、農業被害を考えると嫌われるのも分るけど…。
※「エゾシカなんて…」の理由には、「臭い」「固い」「不味い」の色合いも濃かった。それが変化の兆しを見せて来たのはほんのここ数年である。30年ほど前からエゾシカ肉活用の魅力を訴え続けてきた身には「今更ながら…」の感もあるが、それでもウレシイ!

(シチューの海の中に沈んでる島がエゾシカ肉。鶏のささ身のような淡白さでありながら、噛みしめるとジワッと深みのある旨みが…)
エゾシカのことをアイヌ語で「ユック」と言う。一昨日の夜ウチじゃ、ビーフシチューならぬ“ユックシチュー”だった。残念ながら美味さを的確に伝えられる表現力を持ち合わせてないが、何層にも積み重なる旨みの断層を口の中で噛みしめる味わいは格別である。
※しかも、豚や牛と違って脂身の少ない肉質はカロリーを気にする必要もない。ヘルシーである。「都市のダイエット女子には絶対売れる!なのに誰も耳を貸さなかったなぁ…」そんなことを述懐しつつ、ひと口、またひと口。グビリと焼酎を一杯…。う〜む言葉がない…。感謝!

★5日ほど前には一人前200グラムの“ユックステーキ”を。コチラも至福だった。いずれも害獣駆除員を勤める友人からの貰い物である。つい先日まで山野を駆け回っていた者の生命を感謝して頂く。長い時間を見通せばそれが人間と動物の多様性を維持する正しい関係性、となることもある。
★さて人間同士の多様性はどうなるのだろうか。日中、日ロの首脳会談が終わった。日韓も言葉を交わしたそうだ。そして・・・・訳の分からない解散風が吹き荒れてきた。人間は・・・・懲りないねぇ!