【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

ソッチじゃないっ!コッチを見ろよっ!

※「もう撮ってきた?」隣人のカメラマンが聞く。「フクロウだよ、エゾフクロウっ!」エッツ、去年は聞かなかったが、今年は来てるのかぁ。聞けば、2年前2羽のフクロウが巣立った樹の傍らしい。近くの建設工事にもめげず、巣籠りしてたんだぁ。

(見たくないものが下にいるからかなぁ、ずっと後ろ向き。どっかの首相のようだ)
※出かけてみると前回同様、バズーカ砲みたいなカメラの砲列が上空を睨んでる。「2羽とも後むいちゃってて、なかなかコッチを向かないんだ」。もう何時間もカメラを構えてるらしきオヂサンが、小声で話しかけてくる。そういえば2年前もそうだった!
※風の中を待つこと30分。ジッと動かなかった2羽のうちの1羽がゴソリと動いた。カシャ、カシャ、カシャッ!連写するシャッター音が機関銃のように響く!そのうちの何発かは自分が発した音だ。ただ、コッチを向いたのはホンの⒑数秒間だけだった。

(ほんのちょっと前向きになってくれた。シャッター音が万雷の拍手のようなんだが…)
※幼鳥は再び後ろ向きになり、またまたジッとうずくまっちゃった。まさにフクロウの生きた置物である。誰かが言った。「さっき動いたんは、カラス来たからだべ。親がどっかからサ〜ッと飛んで来てカラス追っ払ったからな、ちゃんと護ってるんだべや」
※幼鳥は、その後もアッチを見てるだけでコッチを見ない!誰かが呟いた。「コッチ見れや、ソッチばっかりじゃ待ちくたびれちゃう!」。別の誰かが言う。「動物は思うようにならんからなぁ…、待つしかないか、政治と同じで…」。ン、政治っ?

(2年前の写真だ。この時巣立った幼鳥が、再びこの地で巣籠もりしたのかもしれない…)
※そういえば我が首相は、自国じゃなくアメリカしか見てないっ!アメリカで約束した8月までの安保法制成立に躍起だ。成立ありきだから論戦には程遠し!「お前ら、オレの言うことを聞け」と喚くばかり。これじゃ茶番、消化試合だ。栄作叔父同様の密約でもあんのかっ?
※矛盾、強弁、憲法違反になりかねない解釈、そしてヤクザまがいのヤジ…。その暴挙を容認してる自民党幹部。これで日本に未来はあるのか?「たまにはアメリカじゃなく日本人に向き合えよっ!コッチを見ろよっ!」。ヤジでも飛ばしたい気分だ。