【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 「ねこに未来はない」!

※標題の「ねこに未来はない」は、今年の5月3日に永眠した詩人・児童文学家 「長田弘」が1971年に上梓した。「ネコの本」のうちでも超特級の名著だと思う。切ない短編だった。それ以降、これほど感動する「ネコの本」には出会わなかった。
※が、その記録に終止符が打たれるかもしれない。いま読書ingの  〜動物行動学が教えるネコの心理〜『猫的感覚』(ジョン・ブラッドショー 早川書房)は、「ねこに未来はない」とは別の意味で、深〜い感銘を与えてくれる。

※“イヌは人間を尊敬する。ネコは人間を見下す。”―――ウィンストン・チャーチル。名言家で有名なチャーチルの言葉で始まるこの本は、“ハンター”と“コンパニオン”と言う二つの資質を併せ持つネコの神秘性がどこから来たのか、科学的に教えてくれる。
※「わずか60代(つまり約200年)でオオカミから変化した」イヌと、「1万年前のヤマネコからジワジワと人間社会に溶け込みながらも、未だに完全には家畜化されてない」ネコの違いは一体何なのか?夢中にさせてくれる・・・

(カサブランカが今年も咲き始めた)
※章立てを挙げておこう。【第1章 ネコの始まり】 【第2章 ネコが野生から出てくる】 【第3章 一歩後退、二歩前進】 【第4章 すべてのネコは飼いならされることを学ばなければならない】 【第5章 ネコから見た世界】 【第6章 思考と感情】
※ここから佳境に入る。【第7章 集団としてのネコ】 【第8章 ネコと飼い主たち】 【第9章 個体としてのネコ】 【第10章 ネコと野生動物】 そして最終章―――【第11章 ネコと未来】 ほ〜ら、長田弘とは違う未来が出て来たっ!

(早咲きコスモスも咲き始めた)
※イヌほど研究が進んでいないネコを知ることは、人間とネコの関係、さらには人間社会や人間の暮らしを理解するうえで非常に役立つ。さらに、民族や国と国との関係にも深い洞察のヒントを与えてくれる。ネコは実に巧妙な取引をすることができるからだ。
※よく「アンタはネコ派?それとも犬派?」と聞かれる。そういう時は「真正ネコ派っ!」と答えるが、同じ質問を政権幹部や国会議員にしてみたら・・・どう答えるだろう?興味あるところだ。もひとつ、ネコならぬ日本に、未来はあるのだろうか・・・も聞いておきたい事柄だ。