【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 「おくにはどこですか?」

※家を出る。車に乗る。採集地に着く。「お宝」を採る。車に乗る。家に戻る。使用時間21分43秒…。この技は地元の住人、しかも「お宝」がどこに存在してるかを熟知してる者にしかできない技である。

(ウレシイことに「聖地」に到着して2〜30歩で株を発見、何と30センチ四方で1キロ弱収穫。)
※「お宝」とはその筋で珍重される高級食材キノコ「ハタケシメジ」のこと。実は去年までこの「お宝」の「聖地」を2か所知ってた。が、事もあろうにその2か所に今年ブルドーザが入り見事なまでに整地されちゃったんである。
※やれやれ…が、ヒョンなことから以前の「聖地」以上の「究極の聖地」を発見。30分もあれば、1食分の「お宝」を手に入れることができることとなった。ラッキーッ!これぞ都会人の手に入らない在郷の贅沢であり、誇りでもある。
※じゃ、日本と言う国に住む在郷の日本人の贅沢と誇りは何なんだろう?道新のコラム「卓上四季」に、舌鋒鋭い筆跡が掲載されてた。紹介してみたい。

(立派な成菌株だ。ここまで大きいのは久々)
※『「おくにはどこですか」。初対面同士でよく交わされる。もともと「くに」とは出身地や育った所。都道府県だったり、集落だったり▼哲学者の内山節(たかし)さんは、生活の根っこである「くに」と「国」を一致させようとしたのが明治以降の政治家という。
※国家間の対立が深まるにつれ、強い国こそ国民の生活を安定させると宣伝した。しかし、国民が思う「くに」と「国」とは、かけ離れつつあると内山さんはみる(「清冽なる精神」)
▼TPP交渉のうたい文句である国益の実現に居心地の悪さを感じるのは、言葉遣いのあいまいさのためか。国の利益といいながら熱心に求めていたのは、輸出産業の利益に見えるからである(中略)▼<食料を自給できない国を想像できるだろうか、それは国際的圧力と危機にさらされている国である>。米国ブッシュ前大統領の演説を思いだす。国内農業が弱体化し、輸入依存が進めば消費者の利益どころか、いざという時の心配が募る』(後略)

(あまりたくさん採れたので、友人宅にも分けてあげた。ウチはシチューと翌朝の味噌汁)
※「卓上四季」は農業大国でもある北海道の将来を危惧した筆跡だったが、実はグローバルスタンダード同様、すべてがアメリカンスタンダードで進み、IDS(国際訴訟)で日本と言う国のシクミが全滅するという説もある。
※「アベ組長」に問いたい。「おくにはどこですか」あぁ、長州ですかぁ、なるほどねぇ…。“会津っぽ”を徹底的に弾圧した、あの明治政府の中核を担った「おくに」でしたねぇ。

★未明から台風23号による暴風雨が始まった。二週連続だ。今回は暴風雨警報の上に、海岸には高潮警報、高山には降雪注意報も出ている。横殴りの雨に濡れ落ち葉が道路を奔る。ピークは今夜。35メートルの瞬間最大風速が予測されてる。やれやれ…。ここは家に籠もって通り過ぎるのを待つばかりだ。