【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 蝦夷(エミシ)から蝦夷(エゾ)へ!

※図書館でふと借りて来た「アイヌの歴史」にいきなりハマったのは、7世紀にはすでにヤマト王権が東北、北海道の遠征に乗りだしてたことを知ったからだ。「日本書紀」にはそのことが記述されてるという。
※「日本書紀」には、斉明天皇の命を受けた阿倍比羅夫(あべのひらふ)が658年北征し、齶田(あぎた)=秋田・淳代(ぬしろ)=能代津軽蝦夷を服属させ、翌年には渡嶋(わたりしま)、胆振鉏(いぶりさえ)、後方羊蹄山(しりへし)などの地名が記述されてるという。

山川出版社刊 桑原真人札幌大学学長 他4名の共著 2015年8月10日 第1版1刷発行)
※これらの地名が現在の地名か、は確定するのが難しいらしい。が、少なくとも渡嶋は北海道であることがほぼ定説化してるらしい。実は、道南の函館辺りの地域は現在でも渡島(おしま)と呼ばれ、また胆振地方(いぶり・苫小牧)、後志地方(しりべし・小樽)も、北海道の9管区の地域名として使われてる。北海道は歴史が浅い、なんて嘘だっ!

(噴火警戒レベルが2に引き上げられた雌阿寒岳。太古より噴き上げる白い噴煙をアイヌ人たちも見てただろう)
※読み進むうちに、縄文人や擦文人、オホーツク人、アイヌ人などと、本州方面の深〜い交流の歴史や、民族交流がいかに盛んだったか分ってくる。9世紀ごろ蝦夷(エミシ)と呼ばれてた名称も12世紀ごろには蝦夷(エゾ)へと変化。そして江戸時代には、若干侮蔑味を帯びた地名、未開の野蛮人地域としてイメージが定着するのである。
※その後、明治政府は屯田兵を募り入植が始まる。様々な民族問題同様、絵に描いたようにアイヌ人への差別政策と弾圧が始まる。そして150年……たった。
※待てよっ!最近どこかで見たような構図だなっ!アッ、沖縄だっ。沖縄は150年前から北海道が体験した差別政策に酷似してないか?まるでフラクタル理論(相似形理論)みたいだ。北の果てと南の果て…。似てるなぁ…。