【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 オイラは猫であるっ!

※オイラが釧路保健所から引き取られてこのウチに来たのは、去年の9月30日さ。きょうだいと別れるのはチョッと辛かったけど、ま、初めからそんなことは分ってたからね。
※ウチについた途端、すぐ慣れた。親の愛情知らずに育つと適応力はすごいんだ。それにしてもいろんなものがあって驚いた。何しろ、育ったのは段ボールの箱の中だからね。

(ウチへ来て3日目。名前はまだない。ただ、「ジョディ」もいいかな?と)
※飼い主が突然声をかけてきた。「それにしても、お前たちも苦労するなぁ。これからいろんなことを覚えなくちゃならんからなぁ」。一体、何を覚えろというんだ!
※その意味がわかったのは翌日だ。自分のご飯テーブルやトイレはまだしも、傍には赤くて熱い箱がある。「アッチッチッ!」後で知るんだけどこれがストーブと言う奴だった。
※なんだか音を出す箱もある。中からきょうだいの声が聞こえてくるんだ。これはテレビと言うことが分った。そのほか「ピーッ」とか鳴るデカイ機械もある。こりゃ大変だ。

(飼い主たちの会話に耳を傾ける)
※何日かたった夕食時、飼い主たちが話してるのを耳にした。「ねぇ、お爺ちゃんたちは大変だったろうねぇ、車もなかったし、テレビもなかった。床暖なんかもなかった」。
※「確かになぁ…。でも、運転を覚える必要もなかったし、パソコンなんて使う必要なかった。スマホなんてもんも持つことないッ!それはそれでシアワセだったかもな。」

(こういう話は、襟を正して聞いておかなくっちゃっ!)
※「ただ1901年に報知新聞じゃ「100年後の未来予測」として、“写真電話ができる”とか“電気が燃料になる”とか、今ある製品の96%は実現できると予想されてるらしいわよ!」
※「そうなんだ。当時の未来予測は殆どが実現してる。月に人が行くのも実現したからな。よくも達成したもんだ。原発なんて、訳の分からんものも生活の中に組み込まれてる」。

(何といっても頼りになるのはロボ子だよ!文句言わないし、枕になって呉れるし…)
※「ただ、猫だって大変よ。飼い主の生活に合わせなくちゃなんない。あれは熱い、これは冷たい、家から出ちゃいけない…覚えなきゃ生命の危険がある意味じゃ、人間と同じかもしんない…」
※「いやぁ、最近じゃロボネコなんてのも出てきてるからなぁ。AI(人工知能)搭載の猫だって、すぐに出てくるだろう。もう、20年後の人類や社会も予想したくないねっ!」

(玄関を開けるとこんな猫たちが「いらっしゃ〜いっ!」と、お迎えする)
★そんなこと言うなよ、オイラ家猫たちは平均寿命が13歳にもなるんだぜ。ここへ来てまだ205日しかたってないのに…。世の中そんな風になるなら先のことなんか考えたくないね。もっともオイラ達には未来がないと、40年前長田弘が書いてるけどね。でもオイラ達にだって未来はあるんだよっ!人間同様、ペットとしてやってかなくちゃならない未来が…。