※「ど~ん」と鈍い音がした。隣家が薪割でも始めたんだろうか?窓を覗くと下に鳥が横たわってる。「ワッ、アカゲラだっ!」。これまでもコゲラ、シジュウカラ、アオジ・・・小鳥が窓にぶつかり、倒れてることは度々あった。が、アカゲラは初めてだ。
(アカゲラ:キツツキ目キツツキ科アカゲラ属。全長20~24cm。翼開長38-44cm。主として北半球。北海道には亜種エゾアカゲラが棲息。黒、白、赤の3色のからなり、オスの成鳥は後頭が赤い羽毛で覆われている。ドラミングで樹の虫を追いだし餌とする(Wikipedia))
※手に乗せると「ㇳクン、ㇳクン」。短い鼓動が掌に伝わってくる。嘴も開き、ぐったりしてはいるが、瞼は動いてる!・・・「生きてる!」。自分の掌に「命」が委ねられてるっ!「どうしたらいいだろう」。柄にもなく、パニクった。
※「とりあえず保護しようっ!」段ボール箱の中に柔らかめのスポンジを入れ、ベッドを用意、開いている嘴の横に水を浸した指を添えてみる。変化は無い。何度も何度も繰り返す。・・と、嘴がチョッとだけ動いた。喉から「ゴクリ」という音が聞こえた(ような気がした)。もう一度!「ゴクリ」。確かに飲んでる!寝かせて様子を見よう。
※段ボールのベッドにそっと横たえ、愛猫クルルが襲わないように、二重にドアを閉めた。待つ、待つ、待つこと1時間。そっと覗いてみた。すると・・・段ボールの中で立ちあがってるっ!喜ぶまもなくバタバタと飛びあがった!・・・「生き返ったっ!」
(色づいたマユミの実)
※「早く戻してあげなければっ!思わず玄関の戸を解放した。「キュっ、キュっ」という鳴き声を残して、アカゲラは裏山目指して一直線に飛び立っていった。瞬間、「シマッタ!」と思った。「生き返りを写真に収めて置けばヨカッタっ!」
※というワケで、「野生の命の復活ドラマ」を皆さんに観ていただけなくなってしまった。「大失敗」である。だが、自分の脳内には、アカゲラが山を目指して飛翔する歓びの映像が完璧に焼き付けられている。死ぬまで忘れられない5秒間。シアワセだ。
(エゾヤマザクラの紅葉)
★新政権が発足した。「“人”の話を聞くのが得意」という新首相。「“人”」とは、シンゾー」、「アッ、ソー」のことか?「市民の声」じゃないことだけは確かそうだ。「大失敗にならぬことを望みたい!」