【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

「啓蟄」

※この文字を見ると常に思い出す句がある。

『・啓蟄に引く虫偏の文字のゐるはゐるは(上田千石)』

いつもながら素晴らしい俳句だなぁ、と思う。「冬籠りの虫が地中から這い出る」意味の春の季語「啓蟄」を、見事に漢字にアレンジ!蠢きと言い、ざわつきと言い、視覚や肌触り感に訴えてくる。いやはや、こんなにいい句、詠めない

 

※昨日3月6日は啓蟄だった。虫たちの動きを察したアカゲラのドラミングが庭先に響き渡る。アカゲラも「啓蟄」の日を知ってる如く、だ。さらに「啓蟄」の頃になると、エゾマツだって黙っちゃいない。「根開け」で応えてくれるのだ。

 

(画面中央、白樺の隣の枝を、アカゲラがドラミング。虫を探ってる)

 

※「根開け」(「根開き」とも「根明け」とも書く)、春の季語。雪国ではよく見かける根幹の周りにできる雪穴のことで、雪面に穴が開いたようになる光景をいう。移住当時は、春が近くなり樹の体温が上がるため、と思い込んでたがどうやら違うらしい。

 

(当地じゃ、「雪根開け」ともいう。いよいよ春が近い)

 

※原因の一番は、太陽エネルギー。太陽の光を反射した雪面が樹木に吸収され局所的に樹木の温度を上昇させ、雪解けを促すというもの。その外には、枝の雪どけ水が幹から根本へと流れ雪を解かす。風の流れの影響・・・等々単一の理由ではないらしい。

 

(ここまで大きい「根開け」は珍しい。今年は独特だ)

 

※いずれにせよ「根開け」が観られるようになると雪国の住人達は、夜中、-10℃まで下がろうと「春近し」を感じるようになる。冬籠りしてた人々がモゾモゾと家の外へ出てくる。「人間の啓蟄」・・。その願いは「プーチンを引き擦り下ろせっ!」だっ!