【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 “霧中”の摩周湖

あまりによい天気だったので、家を10:30に出てしまった。何しろ、空は真青である。赤トンボなんかも、地表近くを沢山飛んでる。こういう天気のときはジッとしていらんない!もしかしたら、子供に増えてきてる多動性症候群かもしれない。ところで何処行こか?
約束はある。標茶(しべちゃ)の“木のみ”という飲み屋、17:45だ。4ヶ月ぶりに、友人と一献!というわけである。
実はこの友人も移住組、というか標茶出身なのだが、つい3年前、標茶にUターンした。現在フリーライターなのだが、その請け負ってる仕事が、不肖私も出入りしてる出版社の仕事で、私もかつて係ったことのある仕事だった。
だが、それ以上に吃驚したのは、私と同じ業界、つまり元コピーライターで、彼の元同僚を私もよく知ってるという偶然!いやこりゃ、偶然じゃないだろう。必然的にそうなったのだ。何しろこんな北のはずれで、東京の共通の友人達を肴に飲ることができるのだから。
標茶までは約65km、時間にして1時間15分ぐらいだから、時間は山ほどある。
そうだ、摩周湖回ろう。今頃の季節は行ったことないし、この前友人を案内した時は霧で何も見えなかった。今日は晴れてるだろう。というわけで、摩周へ向かう。
摩周湖は寒かった。冷たい風が肌を刺す。そして残念なことに、時々晴れはしたが、概ね曇っていた。かつて透明度43mと世界一を誇った神秘的なカルデラ湖は、曇っていると何だか寒々しい。コバルトブルーの湖面も鉛色に見える。中央に見える小さな島カムイシュ、荒削りなカルデラ湖の岸壁カムイヌプリ(摩周岳)も、なぜか神秘性を少し欠いてる。脳内が“霧の摩周湖”のイメージで固まってるせいか?それとも、湖の色のせいか?思わず布施明の♪霧の摩周湖♪が口をついて出た。
車に戻って、カセットをかける。曲目はハワイアン。心を少し温めよう。さあ、標茶にはあと48kmだ。着くころには、ハワイアンのマリンブルーと緩やかな潮風が脳を占領してるはずだ。きっと、“曇の摩周湖”もマリンブルーに変化し、まったりとした楽しい一夜になるだろう…。
案の定、話題は摩周湖からアイヌの歴史へ、warabimanさんや、chuukyuuさんのブログの話などを俳諧、世界経済を巡り、最後は科学や宇宙を旅して、無限大に…。翌朝、霧の摩周湖の中を彷徨ってる朦朧とした感覚で目が醒めたのでありました。まあいいかあ、明日は月が代わる!