【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

続・テリ鳥ー、軍事対決へ!

朝5:00.起きてすぐ、寒暖計チェックに裏庭へ向かう。おや、10℃を超えてる。今日はきっと23℃位になるな、いや嬉しい!そこでふと気がついた。カラスが文句を言ってこない。ああ、ようやく子ガラスが巣立ちをしたか。これで、テリ鳥ー争いはなくなるナ。折しも東シナ海のガス田開発が、中国と共同開発ということで合意したところだ。お互いに安心だ…、と思ったのが大間違い。
9:30、再度寒暖計チェックをし、予想通り22℃を確認したところで、いきなり怒りのコンタクトがあった。カア公が宣戦布告もなく先制攻撃を仕掛けてきたのだ。コチラは無防備。方々の体で退却に追い込まれた。
「それにしても腹がたつ」。そうだ、目には目を!歯には歯を!だ。もう武力対決は避けられない。コチラもガマンの緒が切れた。第二次世界大戦でもパレスチナでもイラクでも、戦争突入はいつも同じだ。人類は歴史に学ばない。これがきっと生物が生きてる証であり、インド哲学で言う“カルマ”=(業)というものだ。
「アイツラをやっつけろ!それが国益だ!全面戦争に突入しよう!」。軍事会議はすぐにそう決議、作戦が検討された。周辺国ではパチンコ作戦が効果抜群、という。だが、報復されはしないか?それよりもまず、光攻撃で行こう。これは当国が開発した敵に優しい攻撃作戦だ。
で、鏡を持って外に出る。太陽の光を反射して、カラス軍団に放射しようというわけだ。これならクラスター爆弾に見られるような残虐性もないし、不発弾もない。しかもそれなりの眩しさ効果があるはずだ。攻撃は始まった。幸い今日は日差しが強い。攻撃エネルギーはふんだんにある。樹上のカラス軍団にそのレーザースポットが当たる。いきなりの攻撃に吃驚したのだろう、ヤツはやや揺らいだ。と思う間に枝から落ちそうになった。
「やったあ!」効果は明らかだ。ヤツは捨て台詞を残しながら、他の枝に撤退する。それを光線攻撃は執拗に追う。こうして、2〜3分。
意外なことが起こった。ヤツは光線に背を向けたのである。攻撃効果は10%以下に落ちてしまった。背を向ければ光線攻撃は怖くないことを学習したのだ。スゴイね!インティファーダの効果的抵抗法を発見したのだ。今度たじろぐ番はコチラだ。ヤツは枝から枝へ、飛んでは後ろ向きに少しずつ侵攻してくる。
しかし、何故そこまでこの地にこだわるのか?底知れぬ恐怖と共に、素朴な疑問が湧いた。この恐怖と疑問は、イラクにおけるブッシュと同じだと思う。
その時!鏡を構えた左手の奥で何かが動いた。小さな黒い塊、だ。目を凝らしてみる。なんと、深い雑草の中に蠢いてるものは、カラスの子だった。「なるほど!」。コイツを守ろうとしていたのか。パレスチナの抵抗が一気に分った。イスラエルやブッシュはそれが分っていても撤退しないが、ブッシュより少しは人生が分かってる、不肖飯沼勇一は光線攻撃を止めて不名誉であり、名誉でもある撤退をスゴスゴと開始したのである。「なあに、あと何日か経てば子ガラスも巣立ちし、平穏な日々を送れるようになるさ!」