【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 巣立ち!


▼関係者は歓喜の渦に包まれてるに違いない。何しろ38年ぶりに野性の復活に成功したのだ!日本中に明るい話題を振りまいた「佐渡のトキ」の話である。
▼「トキ復活プロジェクト」は今年、放鳥した鳥からヒナが誕生、さらにそのヒナの「巣立ち」に成功した。何年にも及ぶ試行錯誤を繰り返した挙句の成果だった。
▼関係者が放鳥トキのペアの抱卵姿を初めて観測したのは3月19日。ハラハラ、ドキドキの日々が続く。そして約一カ月後の4月22日、観測カメラは孵化したばかりのヒナを捉えた。人工保育を進める傍ら、放鳥を始めて5年後のことだった。
▼これを機に、刻々とヒナの成長ニュースが届く。他の巣でも計8羽のヒナが生まれた。そしてついに5月22日、一羽のヒナが巣立った!6月12日現在6羽のヒナが巣立ちしたという。3羽には「みらい」「きぼう」「ゆめ」の名前が付けられた。

(姿を見せたのは30分ほど。巣立ちはまだらしい。二羽確認、短い時間でも性格の違いが見て取れた)
▼実は、阿寒の森でも歓喜の渦に包まれる日が近づきつつある。エゾフクロウのヒナが巣立ち間近の様子なんである。関係者は息を潜めてその瞬間を待ち続けてる。そのハラハラ、ドキドキは、トキ関係者には負けるかもしれないが、相当なモンである。
▼「朝2:00に起きて、駆け付ける毎日だ」と関係者の一人は言う。「こんな野性の巣立ちを見られることは今後ないだろうから…」阿寒の森の野性を見つめる目は限りなく優しい。

(巣の正面の枝でヒナを見守る親。警戒怠りなく一日中ジッと動かない。母の子を守る我慢強さに脱帽!)
▼道南の室蘭、苫小牧、登別のヒトも、かつては「鳩」を見る目は優しかったという。が、65歳にもなって巣立ちのできない「鳩」に向けられる目は、いまは極めて厳しくなってるようだ。
▼小沢村の老木が新しい森(新党)をつくるなどとほざいてるけど、その森に巣立ちできるのかい、「由紀ポッポ」?もしかしたら巣立ち前に、巣(北海道第九区)から落ちちゃうかもしれんよ。