【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

「ずく無し」!

▼近所に散歩で歩かない犬がいる。オジサンに抱かれて散歩する犬だ。「トイレの時以外は歩かない」とオジサンは嘆く。心の中で思わず「この横着者め!“ずく”出せ!」、そう罵っちゃった。“ずく”…はて懐かしい言葉が浮かんできたなぁ。
▼“ずく”…。信州全般に使われる方言。その意味を定義するのは難しいのだが、「無い」をつけた“ずく無し”で説明すれば、多少分りやすくなるかもしれない。
▼“ずく無し”とは、億劫がって何かをやりだそうとしないこと。つまり“グータラ”に近い概念だ。従って“ずく出せ”は、「怠け心にムチ打って、奮励努力、汗を掻くこと」というような概念が妥当となってくる。
▼北信州小布施で立ち上げられた第三セクター「(株)ア・ラ・小布施」のコンセプトワードは「金出せ、汗出せ、ずくを出せ」だった。町おこしのために町民個人参加を呼び掛る事業コンセプトを、“ずく出せ”に担わせたのである。

▼三日前、阿寒は−6℃を記録した。いよいよ冬だ。朝の起床が随分と遅くなってきてる。
・あと五分あと五分だけ霜の朝
こんな句が口をついて出てくる。待てよ、これって子どもの頃言われた「ずく無し」の典型だよな!犬のこと罵ってる場合じゃないよな。でもこんな句も口をついて出てくる。
・老犬の嫌がる散歩霜の朝……う〜む。