【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

“タンチョウの夏”

※もう何年前になるだろうか、蚊取り線香の「金鳥」が、CMに歌手の女王「美空ひばり」を起用して話題になったことがあった。キャッチフレーズは“金鳥の夏 日本の夏 ”。俳句でいう「大きな景」の例として、覚えてる人も多いことだろう。

(今年孵った長子。親は餌を川の水で洗ってから与えてた。「自然の中でも?」と観光客。)
※話題の素は何と言っても、美空ひばりのCM出演だった。「美空ひばりいいねぇ」。が、一方で「日本の夏は演歌の夏じゃないっ」など、彼女に対すする拒絶感の声も高かった。当時の業界誌は『有名人の推奨広告は、50%のマイナス効果も生み出す』と論評した。
※では、コチラはどうだろう?“タンチョウの夏 釧路の夏 ”である。その華やかなステージを演出するのは、釧路空港のすぐ近くにある「釧路市丹頂鶴自然公園」。1958年8月、日本で初めて丹頂鶴保護及び増殖のために開設された施設である。

(6月13日に孵化。親たちにまとわりつく。生を受けて1か月。将来外界とここを行き来する)
※現在、約20羽のタンチョウが放し飼いされてるこの公園では、今年3羽の丹頂が孵化した。孵化した幼鳥たちは、網はあるものの屋根はない自然な状況で、親からのたっぷりな愛情と、施設からの手厚い保護を受けてスクスクと育ってる。
※“タンチョウの夏 釧路の夏 ”には、美空ひばりが当時受けたような拒絶感の声は皆無だ。観光客や訪問客の「カッワイイッ」という声や「わぁ、お母さん、ヤサシ―っ」などの歓声に包まれてる。まさに“釧路の夏”を謳歌してるのである。

(人間と違って、若くしてすでに自立心は旺盛だ。近々親離れという厳しい現実が待ってる)
※幼鳥たちへ。かつて君たち一族は一度絶滅しかかった。モチロン、キミたちのせいじゃない。人間達の乱獲のせいだ。が、保護活動でようやく1300羽近くまで復活したこれからが、キミたちの未来だ!力強く生きてほしい。ともかく未来に生きるのはキミたちなのだっ!

★安保法制反対の声を“SEAL’S”というグループを中心に若者達が挙げ始めたという。正直ウレシイっ!くしくも学生達が声を挙げた「60年安保の時」、抗議の標的だったのが、我が首相が師と仰ぐ祖父の岸信介である。岸信介は法案成立後、暴漢に襲われたりし、退陣する羽目になった。歴史は彼をどう評価してるだろう。退陣の日から45年目の7月15日が間もなくやって来ようとしてる。孫の我が首相は、後世の歴史にどんな評価を残すんだろう・・・?