【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 再会!黒王!

納屋の奥に何かいる気配がある。「まさか!」
いや、その「まさか!」だった。
黒王、8ヶ月振りの再会だ。
1トンを超える巨体!馬鹿でかい蹄!つぶらな瞳!
この8ヶ月、どこへ行ってたんだろう。
「黒王」!声をかける。「黒王」!何度も声をかける。
ようやくコチラを振向いた。と、同時にゆっくりと動き出す。
柵までやってくると、相変わらずおねだりを始めた。
8ヶ月前と少しも代わらぬ仕草だ。「覚えてたんだ」。
だが、何処かが違う。
何となく、元気がない。疲れてる動きだ。
挽馬競馬にでも出てたのだろうか?
あちこちに付いた傷跡が痛々しい。
挽馬にとっても厳しい世の中のようだ。
頑張らずに、頑張れ、黒王!
そのうちに、いい引退生活があるかもしれない。
君のその人懐こさだけを大切にして。