【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

「まもなく終点です。スキーの先を上げてください」。町中に繰り返し、繰り返し、スピーカーの声が響き渡る。スキーリフトの終点を知らせる注意だ。
何しろ、阿寒ロイヤルバレースキー場は、家からクルマで5分の近さ、スピーカーの声が町中に響きわたるのも当然なのだ。なのに去年は一度も滑りに行かなかった。
「今年は」と、心に決めていたのだが何ともはや3月。「しまった!雪にかまけて忘れてた」。
そう、忘れてたのである。何たることだ、この楽しみを忘れるなんて!いつでも滑れると甘えてたんじゃないか?反省!である。
遠く東京から新潟あたりまで、苦労して出かける人たちのことを考えると申し訳ない。せめて写真だけでも撮りに行こう。
昨夜の大雨で荒れてるかな、と思ったがスキー場はきれいに圧雪してあった。
リフトも動いてる。だが、土曜日と言うのにゲレンデには10人ほどがぱらぱら見える程度。プライベートゲレンデ状態なのである。滑ってはリフト、滑ってはリフト。
「リフト待ち」なんてココでは死語である。なんと贅沢な!スキー人口が激減したとはいえ、本州じゃこうはイカンだろう。
そうそう、確か二年前、このスキー場を滑ってた時もわずか6人だった。これで経営が成り立つんだろうか?心配したものだ。
だが、100人近くの高校生を連れた2台のバスを見た時心配は少し溶けた。体育の授業でスキー教室に来たのだと言う。
聞けば、幼稚園から高校生まで、スキー教室やそり教室は必須科目らしい。
どうやらビジネスと言うよりも、教育の場になってるというわけだ。そりゃそうだ、北国じゃ雪と上手に付き合えないと生きていけない。それを体験するための不可欠な施設なのだ。
上から、母親らしきスキーヤーに連れられて、豆スキーヤーが二人降りてきた。

いずれはこの町を支えて生きてくか、いや、ひとりは都会に出てくかもしれない。
ガンバレ!ガンバレ!せめてスキーは上手くなれよ!君たちゃその面じゃ、都会の子よりはるかに恵まれてんだからネ。
東京から戻る頃はもう終了してるだろう。来年こそ何回か来よう。わずかながらでも地域に貢献しよう!