【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

色、トリドリ

そこはどうやら鳥の社交場らしい。いろいろな大鳥、小鳥がやってくる。
カラスは言うまでもなく、トビ、ヤマバト、キジバトカッコウ、スズメ、セキレイ、ウグイス、クマゲラ、その他いろいろ・・・まるで原宿を闊歩するギャル達のように姦しい。
だが、よく見てると社交場にお出ましになる時間帯が少しずつ違う。カッコウ、ウグイスは朝方。トビとクマゲラ(キツツキ)は終日、カラスはネグラがあるせいだろうか、夕方だ。どうやら湿原が勤務先らしい。
11時ごろクマゲラのドラミングに混じって、インコのような声が押し寄せてくる。“ギャー、ギャー、ギャーテイ、ギャーテイ、シンギョ、シンギョウ”。
よく聞くと「羯諦、羯諦」「心経、心経」と聞こえる。何たることか、「般若心経」終盤の一節じゃないか!まるで酒で喉を潰した生臭坊主が、般若心経を読んでるようなのである。
これが四方八方、傍若無人、阿鼻叫喚のように聞こえてくると、辺りが騒然としてくる。犬達も騒ぐのである。
名前を知らないから、「ハンニャシンチョウ」と呼ぶことにした。
「ハンニャシンチョウ」はそのだみ声に似合わず、意外と美しい。全体はグレー基調。胸元にオレンジのエプロン、翼には白いひと刷毛の羽も混じってる。体長約20cm、カイトのようなスピードで飛翔する。
これがメスの争奪戦を繰り広げる。交尾の相手を追跡する。
妻を「サキドリ」したい、できれば「クニトリ」もしたい。勿論、「オオトリ」取らずにおくものか!
もっと落ち着けば「ヨリドリ、ミドリ」が手に入るのに、待つ「ユトリ」がない。
まるで、どこやらの政治家のように欲張りだ。結果、辺りを騒然とさせる大騒動になる。
最も、鳥達にとっては遺伝子を残すことが、生きる最大の目的だ。「他の遺伝子に負けてなるものか!」。そうそう、生きるってそういう一面もあるよね。
コチラも少々騒がしいぐらい、ガマンしよう。その代わり、絶滅するんじゃないよ!子づくり、大いに励んでくれたまえ。
ところで、写真が小さくて分り難いのですが、この「ハンニャシンチョウ」、正式な名前、学名を知っている方、どなたかいらっしゃいませんか?もしご存知でしたら、正式な名前お教えいただければ幸いです。
いつまでも「ハンニャシンチョウ」じゃかわいそうな気がする。