【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 第87回箱根駅伝 ドラマ篇!

朝から舞ってた雪がかなり解け始めてる。いい気分だ。
箱根駅伝で早稲田が18年ぶりに総合優勝したのだ。歓びを噛み締めるといったオトナの対応じゃモノ足らない。アドレナリンがふんだんに出てるし、涙だってこらえようもなく出る。「よくやった!よくやった!今夜は“八海山”をしたたかに呑むぞぉ!」

そもそも今年の箱根駅伝は、前奏部分から大きな音が鳴り響いてた。
東洋大「史上6校目の総合三連覇か?」早稲田「史上3校目の退学駅伝3冠か?」それとも、王者駒大復活か?
稀に見る“戦国駅伝”だったのである。脳内VTRを再生すれば、決して褪せることはないだろうシーンが鮮やかに蘇ってくる。
スタートから鋭い目付きで飛び出し、一年生では歴代1位の区間賞をとった早大の大迫、花の2区で17人抜きを見せた東海大の村沢、そしてなんと2分54秒差を逆転して3年連続で5区の区間賞をとった“山の神”柏原竜二、さらには往路新記録を樹立した東洋大と27秒差の早稲田・・。
柏原は「田中〜、やったぞぉ〜!」と絶叫しながら哭いた。
一体どんな作家がこんなドラマを書けるだろう?だが、それを遥かに超えたドラマが翌日の復路で待ってた。
翌朝8:00に箱根湖畔をスタートした早稲田4年生の高野は、8km付近で東洋大市川に追いつく。ハラハラして観てたが、両者一歩も譲らずデッドヒート。
15.5kmで満を持して高野がスパート。「よし、行けえ!」。と、次の瞬間、高野は路面に滑って転倒、3〜4mコースを外れちゃった。アドレナリンがドバッと出る。
だが、幸いすぐに起き上がり、再びデッドヒートを繰り返す。観てる方は居ても立ってもいられない・・。
残り5kmで再スパートして東洋大を突き離し、36秒の差をつける。評価が低かった選手の最初で最後の駅伝であるその後、8区〜10区早稲田は東洋大に追い込まれるが、いずれの区間も2位でつなぎ、復路優勝と新記録で総合優勝を果たした。東洋大とは、差は21秒!史上最小差だった。
後方でもドラマが演じられてた。10位以内のシード権争いである。3つの席を日体大青学大国学院、城西の4大学が争ってた。ひとつの大学だけがシード権を失い、来年に向けて予選会から出場することになる。
残り150m。国学院がスパート、他を10mほど引き離してトップへ。城西が最後尾になった。「ほぼ決まりだな」
ところが、である。こともあろうに、国学院がコースを間違えてあらぬ方向へ。「えぇ〜!!?」。
慌てた指導員の制止もあってコースに戻ったが、その時はもはや最後尾に!
だが、そこから粘った。再びスパート、城西大を抜いて10位に滑り込んだ。まるで激しく上降するジェットコースターみたいに胃が動く。思わず涙が出た。
夕方、案の定八海山を大量に送ってくれた、箱根ファンの大先輩から電話がかかってきた。モチロン、感動の電話である。
それにしても、たかが駅伝でなぜこんなに感動するんだろう?興味のない人にはフシギかもしれない。だけど、感動する理由はいっぱいあるんだなぁ。メディア篇とか文化篇とか・・。それについては、後日また書いてみたいと思ってる。
お付き合いのほどよろしくお願いします。