【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

拝啓ブッシュ様、『地下連絡根ット』に学んだら?

前回書いた“その草”の名前が分った。『地縛り草』と言うのだそうだ。
多分、地域名だとは思うが、言われてみれば納得!まさに根が地を縛るように四方八方に広がり、場合によっては縄目のような、いや、もっと言えば電気の分配器みたいな根のターミナルまで持ってる。そこを拠点として、縦横無尽の「地下連絡網」、いや『地下連絡根ット』を形成してるのである。
この3日間ほど毎日掘り続けていながら、ご覧のようにまだ、何坪も掘り返せてない。道は絶望的に遠い。
『地縛り草』に多くの人が、憎悪の眼を向ける理由がだんだんに分ってきた。今日引きずり出した一番長い地下茎は、何とスコップの長さをはるかに越えてた。なんちゅう根の深いヤツだ。人類に、いや世の中すべてに悪意を抱いているとしか思えない。コイツを引きずり出すだけで、10分は掛かった。
しかし、時に神は粋な計らいをしてくれる。この地下茎を引きずり出した時、突然、“根絶やし”と時間との関係、そして力の関係について、多次元方程式の解をくれたのである。地下活動に広大な根を張り、やがてアチラコチラで問題の芽を噴出させるテロ活動を根絶、つまり“根絶やし”にするためには、力任せじゃダメだ。やはり、時間をかけねばならぬ。要するに少し力を加えて、根が緩んだら、少し休む。ほかのことをする。すると、根も気が緩む。そこをグッと力を加える。また休む。それを何度も繰り返すうちに、根は段々と「根を詰めてる」ことが面倒になってくる。
時々張り詰めた気を緩めたみたいに『メリッ!』なんて音を立てたりする。そこが勝負だ。一点集中、テコの原理を応用し、渾身の力をこめて一気に持ち上げる。『メリッ!ビリッ、ブツッ、ブチ、ブチッ』。あちこちの“地下連絡根ット”が損傷を起こす。こうなればシメタものだ。周りにシャベルをぶち込み、根を切るだけだ。これが地下活動を根絶やしにする完全無欠、勝利の方程式である。ブッシュ大統領閣下は、この方程式を理解できるほど、頭が複雑でなかったのかもしれない。イラクでも、イランでも手こずってる。時間と力の関係をね。考えてみれば、ブッシュとは日本語で「藪」のこと。自身が「藪」の中であるからゆえに『地下連絡根ット』を根絶やしにする方程式が分らんのかなあ?大統領閣下、少しは植物の地下活動に学んでみたら?