【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 絶品!鹿シチュー

日曜日の夕方、クーさんから電話がかかってきた。「鹿の肉食うかい?」そりゃあ、勿論「食うさぁ」。若鹿の柔らかいロースだった。「刺身でも美味いよ!」。だが、今回はシチューにすることにした。
で、火曜日、朝から仕込み、シチューをつくった。6:00夕食が始まる。
写真ではハッキリしないが、3cmほどの鹿肉のブロックが7〜8個、じっくり煮込んだ玉ねぎやジャガイモ、ニンジンなどの陰に潜んでる。まずはソースを一口。「う〜ん、ゼツミョー!」。濃密で、ほのかな自然の甘さが広がる。さて、鹿肉ブロックに挑戦だ。口を大きく開けて奥のほうへ押し込んだ。奥歯でそっと噛んでみる。肉塊がパラりと解けてジューシーな肉汁がジワッと広がる。しばし無言。何回も噛む。「噛む、噛む、エブリバディ!」だ。
牛肉のような臭みは皆無。脂の少ないタンパクが、口の粘膜や舌から吸収されるような錯覚に陥る。もう一塊、押し込む。「何も言えねえ!」開高健が「新しい天体」と言ったのが分る気がする。
「しっかし、こんな美味いものをコチラの人たちゃ、何で馬鹿にするんだろう?」都会ならビジネスになるに違いない!ターゲットは、健康や、ダイエットをめざす若い女の子。「“低脂肪・低カロリー!”美味しく食べて健康になろう!」
何しろ西欧じゃ鹿は高級料理だ。かなり高価格でもいけるはずだ。ネーミングは、アイヌ語の鹿を意味するユックを使って“ユックシチュー”じゃどうだあ!
「でも、安定供給できないからねぇ」。う〜ん、まあなあ、安定供給は確かにネックだ。ワインならぬ焼酎を飲みながら、会話はビジネス化の構想で盛り上がったのであります。
ところで、今日の食費は幾らだと思います?買って来たのはニンジンとブロッコリーのみ。後はもらい物。これは阿寒の厳寒を補って余りある余禄、地域に住む者の特権だ。「移住してよかった!」
そんなに美味いならレシピを教えろだって?いやあ、それは相方に聞いてみないと分らない。