【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

サクラサク!


いまの大学受験生には思いも寄らないだろうが、半世紀前、地方の受験生は受験が終ると大抵、結果の通知を電報連絡代行屋に頼んだ。
文面は、合格なら「サクラサク」不合格なら「サクラチル」。結果を見に来るためには交通費が嵩むからである。桜が咲くと、そのことを懐かしく思い出す。両方とも体験したからだ。
道東にもようやく桜の季節がやって来た。まさに「サクラサク」である。と言っても、こちらの桜は大半が本州で主流のソメイヨシノじゃなく、ヤマザクラチシマザクラである。花と葉っぱが同時に出てくる。

ところが、中には曖昧な桜もある。写真は花が咲いているにも係らず、ヤマザクラのような葉っぱが出ていない。
どうやらソメイヨシノと同じような系統なのである。
日本の山野には変品種もを合わせると100種類程のサクラが野生してると言われ、最新園芸大辞典(1970誠文堂新光社刊)には305品種が載ってるという。
辞典でいろいろ探ってみた。写真のサクラがヤマザクラソメイヨシノじゃないことだけは確かだ。が、富士山で咲くマメザクラみたいでもあり、フユザクラみたいでもある。ミヤマザクラミネザクラ、変品種という可能性もある。
拙い観察眼では判断することができなかった。知識不足を恥じるばかりである。
だが、何れにせよ道東でもサクラが咲いて春が完成した。もうすぐ初夏がやってくる。うれしい限りだ。