【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

それッ!夏祭り


道東、中標津(なかしべつ)は、なかなか垢抜けた町である。市街地はおしゃれで、リゾート地の雰囲気が漂う。
人口24,000人。人口流出が悩みの道東では、唯一人口が漸増してる。何十年来の移住促進事業が今になって花を開いた恰好だ。女優の倍賞千恵子さんもこの町に住居をもち、東京との二拠点生活を楽しんでると聞く。

その中標津に野暮用で出かけた。だが、訪問先へ通じる道が交通規制で入れない。「スワッ、事故か?困った!」
聞けば、交通規制はあと40分で解除だという。「悪いネエ、中標津神社のお祭なんだよ!町内会のお神輿が繰り出してる」。約束の時間には少し間がある。そこで神輿を迎えうつことにした。

「来た、来た、来た!」。華やかに飾りつけたトラックや神輿が、威勢のいい笛太鼓に乗って練り歩いてくる。
おじいちゃんもいれば小学生も踊る。お囃子トラックの上では妙齢の女性陣が、笑顔を振りまいてる。こりゃ、写真を撮らぬわけにいくまい!
お神輿及び連は全部で4つあった。つまり4町内会が総出で神輿を担いだと言うことである。
「昔は8つあったんだけどね」交通整理の町内会役員らしきおじいちゃんがポツリと言った。「寂しくなったもんだ・・」
いえいえ、これだって立派です。飾りをつけた外車のスポーツカーだって参加してる。あれは多分、移住者だろう。
地元と移住者がスンナリ溶け込んでる風景が味わい深かった。
チョッピリ夢中になったので、訪問先にはかなり遅れてしまった。
「まあいいさ、今日はお祭だからねえ・・」
甘えるわけじゃないが、地方の夏祭りでは都市では考えられない、ことが許されるらしい。持ってる時間が違うんだなぁ。