【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 野生王国内の挑戦!

鳥を追っかけてるカメラマン達は口を揃えて言う。「鳥撮るなら、いまの季節がイチバンだ」。
そう、季語にも「鳥つるむ」とあるが如く、鳥達はいまは恋の季節だ。しかも木々にはまだ、彼らを隠蔽する葉が出ていない。
そうなりゃ、野生王国とも言える地域に住んでる身、意地でも彼らを撮りたいというのが人情だろう。

(群で移動するオオジュリン、飛立ち遅れた一羽)
「でも、ちゃんと映ってなくちゃ話にならない」。若き女性カメラマンはズバッと言った。そりゃそうだ。どんなに条件がよくて、どんなに機材が立派でも、キチッと映せる技術がなけりゃ、宝の持ち腐れだ。「ちゃんと映すぞ!」
だが、機材も悪けりゃ、技術もない身には、鳥を撮るのは至難の業だった。
「息を吸ってぇ〜、止めてぇ〜、はい、楽にしてっ!」と、まるでレントゲン技師よろしく撮るのだが、単発の村田銃のような安カメラと鳥を識別出来ない老いた目じゃ、もとよりいい写真など撮れるわけがない。

(ヤマセミは殆ど米粒大、もう少し大きく撮りたいのだが・・)
さらに追い討ちをかけるのは、300mmのマニュアルレンズだ。チョッと遠い鳥達の姿はまるで米粒だし、息が止まってないことを証明するが如く手ブレだらけだ。ストレス貯まるぅ。
とは言え、救いもある。豆粒でもピンが来てる写真を見た時だ。挑戦意欲がムラムラと沸いてくる。「明日はもうチョッといいのが撮れるだろう、何もバズーカ砲みたいなレンズだけが能じゃない」

(忙しなく動くセグロセキレイ、この後盛んに水浴びしてた)
そう、下手を恥と思わなけりゃ希望はある。挑戦する余地はある。希望を失わないことだ。
そんなことを自らに言い聞かせながら、被災地の皆さんに思いを馳せることが日課になりつつある…。
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