【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

分かち合い!

(2012年元日、雪に埋もれた穏やかな朝を迎えた)
▼拾い集めた薪にマッチで火をつけ、マシュマロを焼く。特殊なキーボードで人間と会話する。テレビゲームで遊ぶ・・・。ボノボ(別名ピグミーチンパンジー)は、最も人間に近い動物だと言われる。
▼だが、研究者を最も驚かせたのは、互いが互いをかばい合うという行為だった。ボノボは、仲間内での闘争シーンが殆ど観察されず、極めて平和的な動物だと認識されていたが、これほど「和」を大切にする動物だとは研究者も思っていなかったらしい。
▼去年、我々は未曾有の大震災に襲われた。日本のみでなく、世界からも支援の輪が広がった。「がんばれ東北」「がんばれジャパン」。被災者の下に膨大な暖かいメッセージが届いた。被災者は、そして日本は、人との繋がりを実感することでどれだけ勇気付けられたことだろう。
▼世界各地でさまざまな闘争が続いている。そこにボノボが見せるような「分かち合い」「支えあい」は見えない。
▼今年一年、我々人類はどんな道を歩むのだろうか。闘争なしに「一歩前へ」「ひとつ上へ」、希望を持って歩いて行けるのだろうか?
地球に住む70億人の一人ひとりが闘争シーンのない、平和的な動物へ進化していくことを望んで止まない。
「闘わないこと」は、もしかしたら人類発生以来の究極の進化かもしれない・・・。