【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

ホリスティック社会!

▼1926年、思想家ジャン・クリスチャン・スマッツは、1人の人間は「孤立に存在するのではなく、取りまく環境のすべてにつながっている」として『ホリスティック医学』という概念を提唱した。
▼「Horistic」とは、ギリシャ語の「Horos」(全体)を語源とする造語だ。日本訳では「全体」とか「つながり」とか「バランス」と訳されている。超訳すれば「人間の健康とは、衣・食・住に止まらず、社会的に・精神的に・全地球的に、さらには宇宙的な連関性も考慮に入れて・・・つまり、『人間まるごと』を視野に入れて考えなければならない」ということになる。

(花とアゲハの関係もそれぞれの生き残りにおいて連関している)
▼4年前、アメリカに端を発したリーマンショックは、世界中を震撼させた。さいわい各国の政府・金融機関が総力戦の結果、金融恐慌の再来を瀬戸際で食い止めることができた。
▼少しホッとした昨年、日本は未曾有の大地震、大津波原発震災に襲われた。世界中から支援の手が差し伸べられ、どうやら破滅から一歩ずつ抜け出しつつあるようだ。
だが、これらの現実は良かれ悪しかれ人間や社会はもはや、国境線を越えたホリスティックな概念で考えないと、生き残ることが難しいことを示しているのではないか。
▼今年の被災自治体の年頭挨拶は、いずれも希望と再生を願う「復興元年」だった。
「ホリスティック社会」に大きな価値を見出す身としては、いまこそ政治・経済・社会・文化・価値観・・・さまざまな連関を見据えて本物のグローバルな社会実現への「人類復興元年」になればいいなあ、と願うばかりだ。