【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

早春賦!

▼氷や雪が解け始める頃になると、毎年思い出すことがある。「雪が解けるとどうなりますか?エミちゃん!」「エッ、春が来る?ブブーッ!不正解!」 「では、トシちゃんは?」 「そうそう、水になるんですねぇ。正解!みんな、よく覚えておきましょうね!」
▼これは、つい4〜5年前まで小学校の授業現場で行われていたテストなんだそうだ。「雪は、解けたら水になるもの!」。「春が来る」という答えは0点なんだそうだ。

▼ま、幼い頃からエリートコースを歩んできた文科省の優秀な面々が「答えは幾つもあっちゃいけない!」という信念で拵えた指導要綱だろうけど、その成果が問われるのは所詮30年後だ。その頃には指導要綱をつくったご当人達も、殆どが定年退職。中には死んでるのもいるかも知れん。結果は知ったこっちゃない。
▼この3日ほど、阿寒では日中の気温が5℃前後まで上がり,
雪や氷が解け始めた。早春賦である。4ヶ月間地面を縛り付けてた雪氷が水となって流れ出し、同時に春も近づいてきてる。

▼小学生達の明るい声やウォーキングに精出す高齢者達もグンと増えた。木々の根元には「雪えくぼ」の穴がぽっかりと開き、葉の色も少しエネルギーを発散し始めてる。
▼前出のテスト問題、流石に近年は両方とも正解としているという。当たり前だ!自分の子供時代を振り返ってみよ!♪春〜は名のみの〜 風〜の寒さや〜♪と歌う小学校唱歌「早春賦」を音楽室の窓の下で聞いたことがあるだろう。
▼早春賦を聞くたびに思う。人間は自然と共にしか歩けない。そのウレシサと厳しさを、機がある度に子供たちに伝えていくこと。オトナはそのために生きているんじゃなかろうか・・。