【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 「町民還元ワイン・ロゼ」!


▼36年ぶりに十勝池田町を訪れた。モチロン36年前に町がどんな様子だったかはまったく記憶がない。でも池田町が北海道には珍しいワインの生産地であること、そして「町民還元ワイン・ロゼ」という聞きなれないボトルがあったことだけは鮮烈に覚えていた。
▼なぜ「町民還元ワイン」だったのか?「きっと、ワインによる町起こしに挑戦しているに違いない」町民への理解促進や、販売促進もあって還元したんだろう…」稚拙な脳でもそれぐらいのことは理解できた。
▼後にテレビ番組で知ったのだが、十勝ワインの父は野山に自生する「山ブドウ」。この「山ブドウ」から造られた「十勝アイヌ山葡萄酒」が、昭和39年国際ワインコンペティション(ブタペスト)で見事銅賞を獲得。その後、「山ブドウ」の安定的な収穫や忍種改良などで町全体が苦闘中の頃だった。

▼「いまじゃ、全国区になった十勝ワインだ、もう町民還元ワイン・ロゼはないだろう」と思ってたら、なんとそれがあったんである!『池田ワイン城』の中にある売店だった。ただし「町民ワイン」として“還元”の二文字は取れていた。
▼「町民還元ワイン・ロゼ」は、あれから長い間眠りにつき、やがて熟成。“還元”の二文字が消えて目を覚ました…」。
初めて十勝・道東の地に足を踏み入れてから35年、自分の越し方の何と長く短かったことか…。改めて感慨深いものがある。