【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

父とRUN!

川上未映子芥川賞受賞作「乳と卵」を読む。
第一印象は「男には分からない子宮の感性」だった。
異次元に放り込まれたような不安定感…。
女郎蜘蛛に絡め捕られるようなネットリ感…。
勘弁してよ!これが芥川賞なの?
だが、展開といい、文体、筆力といい、凄い才能だ。
どうしても途中で止めることができない。
一時間半ほどで一気に読みきってしまった。
いがらっぽい後味が残った。
酒に酔った勢いで抱きたくもない
女を抱いてしまったような気分だ。
悪い後味を消すためにコーラを飲んだ。
すると思いつくことがあった。彼女の親たちは、
団塊世代」じゃないだろうか?いや、そうに違いない!
団塊世代」は、それまでの精神主義にサヨナラを告げ、
性と肉体を始めて真正面から捉えた世代である。
その両親達の娘への影響がココに現われた…
まさに「乳と卵」ならぬ、「父とRUN」なのである。
どうやら、時代は社会から見た女ではなく
オンナの肉体と性を通じて語られる社会へと
傾斜速度を速めているようだ。
それは今後どんな影響をもたらすのか?