【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

南北交流の、タネ

白いフィルムパトローネの外側に、可愛い文字で名前が書いてある。
高田小5年1組福原ともき、5年3組若城奈那、高倉千尋・・・。
名入りでないのも含めれば何と120ピース。

それをわざわざ熊本から届けてくれた人がいた。
熊本のNPO法人Ecoシティ研究会」の本山さん。
中味は何だと思います? 
驚くなかれ!中に入ってるのはどんぐりっ子。パトローネを開けてみれば、水気を含んだティッシュに包まれてすでに発芽したドングリが、窮屈そうに顔を覗かせる。
早く「土に植えてよ!」とでも言いたそうだ。

表書きに書かれた名前の文字が、オッチョコチョイ、あるいは妙に大人びてる、子供たちのそれぞれの個性や性格を物語っているように、ドングリにもそれぞれの顔がある。
頑固そうなヤツ、利発そうな顔付きの者、不適な面構えの子・・。
何となく、成木になったときのカタチが創造できるのだ。
NPOEcoシティ研究会」では、環境問題の意識を高めるために、
“明日”と言うドングリを小学生と共に育て、それを全国各地に
提供することで、植樹の普及運動を展開している。
去年30本ほど御願いしておいたのだが、文字通りタネ切れで、
今年送ってもらえることになっていた。
それにしてもわざわざ熊本から、しかも120個も。
もちろん、とりもなおさず早速、小さな植木鉢に移し変えた。

しかし、自分ひとりじゃとても追っ着かない。
さりとて、近所に分けたり、小学校や中学に御願いしても、無理だろう。
そこで、北海道新聞に記事にしてもらうことを思いついた。
欲しい人に差し上げて、育ての親になってもらい、やがて植樹してもらう。
洞爺湖サミットに、うってつけの話題じゃないか。
●果たして、熊本のドングリは北海道で育つか?
●子供たちは“ドングリ交流”ができるだろうか?
●そして、九州と北海道はドングリを通して、
 環境問題の対話ができるだろうか?
考えてみればこんな小さなことでも、いろいろ楽しみはできる。
本山さん、わざわざ熊本からありがとう。
北海道新聞が取り上げてくれるかどうか、楽しみだ。
もし取り上げてくれれば、まさしくこのドングリは
100の“交流のタネ”になる。そして環境の話のタネになる。