【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

COSMOPOLITANになろうじゃないか!

毎年コスモスが咲き始める今頃、ニューズウィークでは世界企業ランキング500社を発表する。まあ、言ってみれば企業の通信簿のようなものだ。今年のトップは、ノルウェーの「スタトイルハイドロ」という石油・ガス企業だった。評点120点満点で111.5を獲得した。
上位にはイギリスの医療・バイオ企業「アストラゼネカ」、フィンランドの「ノキア」など、我々も知ってる企業がズラリと並ぶ。日本企業のトップは、35位の「アステラス製薬」、36位には「日東電工」が顔を出した。両企業とも、2007年には10位、12位に顔を出していた企業だ。う〜ん、今年は随分順位を下げたなあ。何故だろう。それでも両社は40位以内だ。バラ色の未来を築こうと思えば、できる。
この「企業ランキング500」は、?財務力と?CSR(企業の社会的責任)の2軸から評価するというもの。それぞれ60点が満点となっている。ソニーは財務評価が低かったために、494位に甘んじた。
しかし、この評価の対象になっていない企業が随分ある。主要株式取引所に上場してない企業、米連邦破産法11条対象企業など、さらには中国、韓国などの新興市場に分類される国や地域の企業、がそれだ。そうだよなあ、穀物メジャーカーギル」みたいに上場してない企業などは評価できないし、また、破産してる企業や新興市場CSRという側面では評価できないよなあ。でも驚いたのは、金融機関が評価対象から外れてたことだ。何故だ?
世界の金融機関は、一日に30兆円を超える取引を行う世界最大の企業群じゃないか?その最大の企業群が評価の対象から外れてる。これは一体なんなのか?そもそも今回の景気後退の立役者は、彼らじゃないか。金儲けを至上主義とする彼らが、自分たちの儲けだけを考えて、自分たちさえ訳の分らぬサブプライムローンなんて詐欺的商品を世界中にバラ捲いた。彼らこそ、財務ではなく、CSRで評価されて然るべきじゃないのか?本来、金融機関はお金の潤滑性を、社会の金融秩序を、護るために生まれたのではなかったか?お金があるところから、無いところに回す経済の血液となる存在じゃなかったか?それを評価するものが誰もいない。やりたい放題じゃないか!
何だかやるせない気分になって、庭へ出た。コスモスが咲いてる。COSMOSは星がきれいに秩序正しく揃う宇宙のことだ。そして花びらが整然としていることから、コスモスの花は“コスモス”と呼ばれるようになった。
そろそろ社会全体がもう一度、自分だけ儲けたいという金融万能主義を離れて、秩序を取り戻すときではないか。秩序を持って生きる本当のCosmopolitanをめざすべき時じゃないか?あの船井幸夫も「エゴからエヴァへ」などの著書を通じて盛んに主張してる。そう、人類は拝金主義から離れなければならない。もう、国家を含めたユダヤ的ミーイズムを止めなければならない。それが人類を救う唯一の道だ・・・。可憐なコスモスを見ながら不肖飯沼勇一は、足らない脳でそんなことを考える。