【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 09ノルディック世界選手権、金と銅

「ヴォーン、ヴォーン」。轟音たててロータリー除雪車が前進してくる。道路脇の、すでに氷となった雪をいとも簡単に吹き飛ばす。生まれて初めて見る光景だった。スゴイ!機械ならではの力仕事だ。
今年、釧路地方は観測史上1位の暖冬だと言う。だが一方、6年ぶりの豪雪だとも言う。ともかく北国にとって雪は厄介者だ。遊びじゃなく、仕事となるからだ。
でもそんな雪を、元気に変えてくれるニュースがあった。2009年ノルディック世界選手権で、日本が金メダルと銅メダルを獲得したのだ。しかもいずれも団体戦だった。
金メダルは男子複合。ジャンプと距離を4人の選手の合計で争う。日本は2位のドイツにブーツの差で勝った。銅メダルはジャンプ。2年前の札幌大会でも同じメンバーで銅メダルを獲得しており、2大会連続だ。両方とも快挙といっていいだろう。
ノルディックと言う競技は、気温、雪質、天気、風など、極めて自然に左右される競技だ。ことにジャンプは向かい風が止んだら10mぐらい距離が違ってしまう。「技術もなんだが、自然の気まぐれに身を委ねるスポーツ」だ。運、不運が成績を大きく左右する。
そんな中で岡部孝信(38)葛西紀明(36)の両ベテランが主役を張ったことは正直、グッと来た。「日本の中高年も捨てたもんじゃない!」
ジャンプチームは北北海道の下川の出身だと言う。彼らは子どもの頃から厄介者の雪と友達になり、やがて青年になり、世界に「日本ここにあり、北海道ここにあり!」のメッセージを送り出してくれた。
「皆さん、ありがとう!何だか元気が出てきた!」これからも1年後のバンクーバー目指して頑張ってください。こういう元気をもらえるなら、豪雪もあまり文句を言わないようにします。